検察が、チョ・グク法務部長官の妻、チョン・ギョンシム東洋大学教授を非公開で召喚する案を検討している。当初は公開召喚が有力だったが、本人の健康問題などを考慮し、非公開召喚に傾いている。最近、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が二度にわたって「捜査慣行の改革」を求めたのも、召喚方式の変更を検討するのに影響を与えたものとみられる。
検察関係者は1日、「チョン教授の健康状態に対する懸念とマスコミの関心などが再燃し、チョン教授をどのように召喚するかについて検討している」と述べた。検察は先月25日、「通常の手続き」に則って、チョン教授をソウル中央地検1階の出入り口を通じて召喚する方針を明らかにした。捜査機関が主要被疑者などの召喚日程をメディアに事前に知らせる方式の公開召喚ではないものの、ソウル中央地検1階の出口に取材陣が待機しているだけに、事実上の公開召喚になると見られていた。ソウル瑞草洞のソウル中央地検庁舎1階の出入り口には、常に取材陣数十人が待機している。
チョン教授は、娘の医学専門大学院入試のために、東洋大学総長名義の表彰状を偽造した疑い(私文書偽造)で起訴された9月6日以降病院に入院し、退院した状態だ。また、先月23日、チョ長官の自宅が家宅捜索された当時、チョン教授がショックで倒れ、救急車を呼ばなければならない状況だったという主張もある。検察は、チョン教授が召喚に応じれば、庁舍に救急車を待機させる案も検討しているという。
検察がチョ教授の召喚方法について悩むのは、チョ長官の自宅への家宅捜索以降、「過剰捜査」という声が高まったことなどが影響したものとみられる。さらに文在寅大統領も今月27日、チョ長官一家に対する検察の捜査について、「人権を尊重する節制された検察権行使が何より重要だ」と述べたのに続き、30日にも「検察権の行使方式や捜査慣行、組織文化などで改善が不十分という指摘が多い」と指摘した。
世論と大統領の視線が厳しいだけに、検察としては議論を最小限に止める案を講じざるを得ないということだ。チョン教授の召喚方法について、検察関係者は「捜査チームからすると、迅速かつ効率的な捜査を進めるのが最も重要だが、捜査以外の部分が争点化することを防ぐためだ」と述べた。