文在寅(ムン・ジェイン)大統領が9月30日、立法過程を経ずとも直ちに実行可能な検察改革方案の作成を直接指示し、共に民主党と法務部も素早く改革案の準備に着手した。政府与党は遅くとも2週間以内に最終案を確定し、検察のチョ・グク法務部長官捜査が一段落した直後から素早く実行する方針だ。特に政府与党は、特捜部・強力部・公共捜査部を「捜査部」(仮称)に統廃合する内容を含む民主研究院の検察改革案の反映を積極的に検討しているという。文大統領と政府与党の意志もきわめて強く、政府スタート以後、積弊捜査などで放置されていた検察の直接捜査の縮小など検察改革課題が急流に乗る見込みだ。検察のチョ・グク法務部長官家族への捜査が、逆説的に検察改革の動力として作用しているわけだ。
■直接捜査組織を統廃合
民主党の主要な関係者は1日、「大統領の検察改革指示は、立法を経ずに検察改革ができる部分について迅速にせよということと見れば良い。すでに正解は出ている。大統領が注文した改革案を整えて準備するのに長い時間は必要なく、チョ長官に関連した捜査の状況などを考慮すれば、2週間以内で充分と見られる」と話した。検察改革の核心骨子である高位公職者犯罪捜査処と検察・警察捜査権調停案は、国会のファーストトラック(迅速処理対象案件)に上がっているだけに、大統領令などで変えられる部分に先に手を加えるということだ。検察改革方案の基本枠組みは、前日に民主研究院が発表した内容から大きく外れないと見られる。
法務部自身の訓令(上級官庁が下級官庁に対して下す命令)を改正し、検察に対する監察を強化する方案も提示された。現在は、検察庁所属公務員の不正に対する監察は、検察が一次として進めた後に法務部が譲り受ける形で進行される。今後は監察規定を改正し、法務部が検察自体の監察とは別に、監察活動を行えるようにするということだ。また研究院は、検事または検察職員の不正が監察後に捜査に進む場合、警察で告発・捜査依頼することとして、捜査の公正性論争を遮断する方案も出した。共に民主党の検察改革特別委員会は、民主研究院が提案した検察改革方案を検討し、それを法務部と協議して可能な限り早く施行するよう速度を上げる予定だ。
■政府与党「今回またできなければ…」切迫感
この他にも、民主党は検察改革世論が現実的に結果につながるよう総力を上げている。前日、検察改革特別委をスタートさせたのに続き、この日は民主平和国民連帯(民平連)と「もっと良い未来」「もっと未来構想」(それぞれ民主党の政策意見グループ、勉強会)が「検察改革完遂のための国会討論会」を開き、民主党議員20人余りが参加した。イ・インヨン院内代表はこの席で「検察改革をもはやためらう理由はなく、これ以上遅滞できない」として「検察の独立性と中立性を確実に保障し、肥大した検察権力を民主的に分散し統制する方向に前進しなければならない」と強調した。パク・ジュミン検察改革特別委委員長も「今この時期と状況をのがせば、検察改革がいつ可能なのか分からないので、党の力を集中し検察改革を成し遂げなければならない」と強調した。与党関係者は「検察改革は文在寅政府スタート当時の第1号の改革課題だった。2年以上にわたり遅々として進まず、チョ長官家族捜査を契機に世論がよみがえっただけに、今回の機会をのがせば政府も民主党も回復不能な致命傷を受けるほかはないという切迫感を抱いている」と話した。