1970年代、北朝鮮のスパイ用船舶の海上侵入を阻むために閉鎖された仁川市の延坪島(ヨンピョンド)灯台が、南北和解ムードの中で45年ぶりに再びあかりを灯す。
海洋水産部は、最近の南北関係改善にともなう延坪島の操業条件の変化を考慮して、延坪島灯台を補修し再点灯することにしたと25日明らかにした。延坪島の西南端、海抜105メートルの地点にある延坪島灯台は、1960年3月に設置されたが、灯台の灯がスパイの海上侵入を容易にする可能性があるという指摘により1974年1月に閉鎖された。閉鎖前は灯台守のいる有人灯台だった。この間放置されていた灯台は、海洋水産部傘下の国立海洋測位情報院が2013年から延坪島灯台にGPS電波妨害監視装備を設置し運営してきた。
海洋水産部は南北首脳の板門店宣言と平壌共同宣言以後、北方境界線(NLL)近隣で南北共同漁労区域が推進され西海5島の夜間操業が検討されるなど、周辺操業条件が変化すると見て、延坪島灯台の再点灯を推進している。特に、仁川港と海州(ヘジュ)・南浦港(ナムポハン)を結ぶ貨物船・コンテナ船航路が開設されれば、延坪島海域を通過する船舶の安全運航のために灯台が必要になると見通した。
海洋水産部は今年8~10月、3回にかけて現地実態調査を進め、補修作業をすれば再点灯に問題ないと判断した。再点灯の時期は、国防部との協議を経て確定する方針だ。国立海洋測位情報院もこのような気流に合わせて灯台に設置したGPS電波妨害監視装備を最近撤収したと伝えられた。
海洋水産部は、西海(ソヘ)最北端の島である白リョン島(ペクリョンド)にある白リョン島灯台も再点灯する方案を検討したが、施設があまりに古くて再使用は難しいと見ている。ただし、白リョン島灯台も再稼動が必要と判断されれば、現在の灯台を撤去し新しい灯台を建設し運営する方案を検討している。1963年に設置された白リョン島灯台も、延坪島灯台と同じ理由で1974年5月に稼動を停止した。