2021年からソウルのすべての小・中・高校で「オーガニック無償給食」が全面施行される。
パク・ウォンスン・ソウル市長とチョ・ヒヨン・ソウル市教育監は29日午前、ソウル市庁のブリーフィングルームで記者会見を行い、「2021年から学校の類型と関係なくすべての小・中・高校でオーガニック無償給食を施行する」と明らかにした。義務教育対象であっても財政問題で施行が保留されている国立・私立小学校と国際中学校43校の生徒たちも支援対象に含める方針だ。
市はまず来年から9自治区(中区、城東区、東大門区、中浪区、江北区、道峰区、銅雀区、冠岳区、江東区)内の96の一般・特性化・自律・特殊目的高等学校の3年生の生徒約2万4000人を対象にオーガニック無償給食を示範導入する。これは、ソウル市全体の高等学校の30%に該当する規模だ。現在、ソウル市の高校生のうち、中位所得の60%以下や学校長の推薦を受けた15.3%(3万9354人)が毎月給食費の支援を受けている。
市は、高等学校のオーガニック食材使用の割合も現在の30%からオーガニック学校給食水準である70%まで引き上げ、中学校に比べて低い給食単価(平均4699ウォン=約460円)も中学校水準(5058ウォン)に引き上げて給食の品質も高める計画だ。
市は、財源確保問題で保留した11区(鍾路、中、龍山、城東、東大門、中浪、道峰、蘆原、麻浦、江西、銅雀)の21の国立・私立小学校と国際中学校の生徒1万1697人にも来年からオーガニック無償給食を提供する。
予算は市教育庁が50%、ソウル市が30%、自治区が20%を分担する。市は、オーガニック無償給食がすべての小・中・高1302校に拡大施行されれば、人件費と管理費を含めて年間約7000億ウォン(約700億円)の予算がかかると見ている。
パク・ウォンスン市長は「オーガニック学校無償給食が施行されれば、3万9000人の生徒が給食費の受給申請をしなくとも良くなる。受給者の烙印を捺されることが恥ずかしくて申請しない生徒もいたが、ご飯を食べる時にも差別を受けずに友達と付き合えるよう、私たち社会が努力しなければならない」と話した。また「生徒1人当り年間80万ウォン(約8万円)の給食費が節減され、家計負担もそれだけ減るだろう」と見通した。
計画どおり2021年にすべての小・中・高校にオーガニック無償給食を提供するためには、今回のモデル事業に参加しない自治区(高校16区、小中校14区)の参加が必須だ。市は、25のすべての自治区が順次予算編成と条例改正などの問題を解決し、2021年までにオーガニック無償給食支援事業に参加することを期待している。今回の事業に参加しないある自治区の関係者は「すぐには予算が編成できずにモデル事業には参加できなかったが、追って参加するだろう」と話した。
現在、江原道、世宗市(セジョンシ)、仁川市、全羅南道、全羅北道、済州道、蔚山市(ウルサンシ)が小・中・高校の無償給食を施行している。京畿道は、市ごとにすでに施行しているか推進中だ。特に仁川と済州は幼稚園にも無償給食を支援している。光州市(クァンジュシ)、大田市(テジョンシ)、忠清南道、忠清北道は、来年から高等学校まで無償給食を施行する。慶尚南道、慶尚北道などは無償給食を推進中だ。