江原道の無料給食の拡大案が自由韓国党道議員らの反対で3回も道議会を通過できない中、同じ党所属の基礎自治体長が2018年から小中高の全面無料給食を施行すると宣言し、注目を集めている。
チェ・ドンヨン江原道春川(チュンチョン)市長は11日、記者会見を開き、「教育費の軽減は子育てにいい環境を作る前提条件だ。特に小中高校の全面無料給食は少子化の深刻性を考慮する際、福祉順位の問題としてアプローチする事案ではなく、地域の未来に向けて、地方自治体が先に乗り出すべき責務であり投資」だと明らかにした。さらに、「現在進めているローカルフード供給支援センターの建設事業と連携して環境にやさしい食材を支援する。教育経費の基準額も現在地方税の輸入額の5%から7%に増やし、学校給食環境を改善するなど、高品質の無料給食を実現する」と付け加えた。
春川市が2018年から高校まで無料給食を拡大すると、8校の7115人の生徒が恩恵を受けることになる。予算は現在、年間36億ウォン(約3億5千万円)から49億ウォン(約4億7千万円)へと13億ウォン(約1億3千万円)増える。市は市長・副市長など各種業務推進費(1億ウォン)と経常経費、行事・祭典関連の経費(9億ウォン)を減らして経費を捻出する計画だ。チェ市長は「自治体の保育支援は、個別の家庭や特定階層の福祉に限定された事案ではなく、地域の公営と長期持続のために、市民の誰にも施行されなければならない時代的価値だ。高校無料給食関連予算を来年当初予算に編成し、細部事項は江原道の道教育庁と協議する」と述べた。
江原道と京畿道教育庁は自由韓国党所属のチェ市長の無料給食拡大宣言が全体の高校に無償給食を拡大できるきっかけになるかもしれないと期待を寄せている。実際、今年の高校1年生まで無料給食を拡大する案に賛成する市・郡は春川市を除いても15カ所に達する。江原道教育庁のカン・サムヨン報道官は「無料給食は道知事と教育長の核心公約であり、2014年から、全面的な無料給食を向けて努力してきた。春川市の決断を歓迎する」と述べた。地域市民団体も歓迎した。春川市民社会団体ネットワークは「無料給食の拡大は前任市長の反対にもかかわらず、市民団体と保護者などが粘り強く要求してきたものだ。チェ市長の決定を歓迎する」と明らかにした。
一方、江原道は現在、小中学校まで無料給食を実施している。江原道と京畿道教育庁は2014年から高校まで無料給食を拡大しようとしたが、道議会多数党(総44人のうち32人)の自由韓国党所属の道議員らが「時期尚早」などを理由に反対し、これまで実現できなかった。