本文に移動

トランプ大統領「南北の発表、非常に肯定的」…朝米対話の見通しに“青信号”

登録:2018-03-08 05:20 修正:2018-03-08 13:31
文大統領、5党代表との昼食会で強調 
「非核化に向けた具体的ロードマップが必要…核廃棄が最終目標」 
 
トランプ大統領「南北で出た発表、非常に肯定的…前向きに捉えたい」 
平昌で強硬の姿勢示したペンス副大統領「すべてのオプションテーブルの上にある」 
 
専門家「ボールが米国に渡った、ラケットを握るべき時期」 
ドナルド・トランプ米大統領が今月6日、ホワイトハウスでスウェーデンのステファン・ロベーン首相と会談した後、共同記者会見を行っている=ワシントン/EPA聯合ニュース

 南北首脳会談が合意され、北朝鮮が米国と「非核化」に向けた対話を行う意志を明確にしたことで、朝鮮半島をめぐる外交的動きが慌ただしくなっている。南北対話と米朝対話がどのようにかみ合い、北朝鮮の「非核化」という難題を解決していくのかをめぐって、これから1カ月間にわたり朝鮮半島の未来の分水嶺になる激しい外交戦が繰り広げられる見通しだ。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は7日、大統領府で与野党5党代表を招待して昼食を共にしながら、「核廃棄が最終目標」だとし、「核拡散防止や凍結程度を究極的な目標にするわけにはいかない」と明らかにした。文大統領は「しかし、核廃棄は最終目標であり、そのまま一気に核廃棄に移行するには難しい面がある。だから、様々なロードマップを経て、完全な核廃棄に至るよう合意することも考えられる」としたうえで、「米国と(この部分について)非常に集中的に議論しなければならない」と述べた。文大統領は「非核化の入り口は凍結で、出口は完全な非核化という漠然とした方法を提示したが、今後必要なのは、より具体的な協議」だとし、朝米対話など関係国との協議を通じて非核化に向けた具体的なロードマップを作り上げていかなければならない点を明確にした。

 文大統領は、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長が北朝鮮への特別使節団に明らかにした「非核化への意志」が実際の非核化につながる可能性についても、「今のところ、確定したものは何もない。(しかし)これまで韓国が米国と協議してきたところによれば、少なくとも(朝米間の)選択的対話、予備的対話に向けた米国の要求(に対する答え)は出たのではないかと思う」とし、「性急な楽観も禁物であり、全部駄目だろう、踊らされているだけだと考える必要もない」と説明した。

 ドナルド・トランプ米大統領は特使団の訪朝結果と関連し、朝米対話をするかどうかについては、まだ明らかにしていないが、前例のない期待感を示した。トランプ大統領は6日(現地時間)、ホワイトハウスでスウェーデンのステファン・ロベーン首相との首脳会談に先立ち、記者団の質問に対して「韓国と北朝鮮から出た発表は非常に肯定的だ」とし、「(今後の状況を)前向きに捉えたい」と述べた。高い評価と共に、期待感を示したのだ。トランプ大統領は「それ(訪朝結果)は全世界のためにも、北朝鮮のためにも、朝鮮半島のためにも偉大なことになるだろう」と強調した。

文在寅大統領が今月7日、大統領府で与野党5党代表と昼食会を開いている。左から正義党の李貞味代表、正しい未来党の劉承ミン共同代表、共に民主党の秋美愛代表、文大統領、自由韓国党の洪準杓代表、民主平和党の趙培淑代表=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 また、「北朝鮮がある種類の実験を今すぐ中止すれば、朝米直接対話に同意するつもりか」という質問に対しては、「何が起こるかを見守る。我々がまだ知らないことについて、あまり多く語りたくない」と答えた。8日に米国を訪問する対北朝鮮特使団の具体的な説明を聞いた後、決定する方針を示したものと見られる。

 トランプ大統領は「私たちは進展を成し遂げた。それについては疑問の余地がない」としたうえで、「必要ならばどの経路にも行く準備ができている」と述べた。特に「どんな形であれ、最悪の状況になるまで放置するわけにはいかない」として、北朝鮮核問題の解決に向けた強い意志を明らかにした。今後米朝対話の可能性がかなり高まった言える。

 ヘザー・ナウアート米国務省報道官も同日の定例記者会見で「明らかに正しい方向に向かっている段階だと思う」とし、「今日この地点まで来ると予想した人はほとんどいなかった」と評価した。

 一方、平昌(ピョンチャン)冬季五輪の開幕式に出席し、北朝鮮に対する強硬な態度を示したマイク・ペンス副大統領は声明を発表して、「北朝鮮といかなる方向で対話が行われても、我々の決意は揺るぎないだろう」とし、「米国と同盟は、核プログラムを終わらせるため金正恩政権に最大の圧迫をを加えるという立場を維持している」と明らかにした。米国政府高官も同日、電話インタビューで「北朝鮮の計画が核兵器を引き続き作る時間を稼ぐものなら、対話は絶対に長く続かないだろう」とし、「北朝鮮が我々に非核化に対する懐疑を抱かせてきたため、我々は楽観論に多少慎重にならざるを得ない」と話した。

 このような雰囲気からすると、米政府内部から北朝鮮の意図に対する評価と朝米対話の速度をめぐり、意見衝突が露呈する可能性もあるものと見られる。米国内のこのような雰囲気を考慮したかのように、文大統領は「南北間に対話が行われても、国際的制裁の連携が弛緩することはないだろう」とし、「国際的合意の中で制裁が緩和されることはあっても、任意に緩和することはありえないことであり、そのような意思も持っていない」と強調した。ワシントン外交消息筋は「対北朝鮮特使団がワシントンに来て米国と緊密に協議すれば、一部の懐疑的な見方を払拭できるだろう」と見通した。

 米国の朝鮮半島専門家らは、朝米間で初の「探索的対話」の可能性は高く見ながらも、続く後続交渉についてはまだ慎重な見解を示した。ワシントンのシンクタンク「マンスフィールド財団」のフランク・ジャヌージ代表は「ボールが米国側のコートに渡った。(米国が)ラケットを握るべき時期」だと強調した。スミ・テリー国際戦略問題研究所上級研究員は「米国は、ひとまず対話には応じると思う」とし、「交渉でさらなる進展を見るためには、朝米双方が少しずつ譲歩しなければならないだろう」と話した。

ワシントン/イ・ヨンイン特派員、キム・ボヒョプ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/835109.html韓国語原文入力:2018-03-07 23:53
訳H.J

関連記事