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南北首脳会談の場所として「平和の家」選んだのは北朝鮮側だった

登録:2018-03-08 05:22 修正:2018-03-08 07:19
特使団訪朝の裏話 
板門店で事前の非公開接触行い 
南側、平壌やソウル、板門店を提案 
協議の時期を4月末にしたのは 
地方選挙と文大統領の就任1年を考慮 
 
対話の見返りとしての裏合意については 
文大統領「制裁の緩和や贈り物は約束していない」
今月7日午後、文大統領が大統領府で与野党5党代表と昼食会を兼ねた会合を開くため、一緒に入場している=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 7日、大統領府で開かれた文在寅(ムン・ジェイン)大統領と与野党5党代表の昼食会で、文大統領は「4月末、板門店(パンムンジョム)での第3回南北首脳会談の開催」に南北が合意するまでの過程を詳しく説明した。南北はこれまで、板門店で非公開接触を行っており、首脳会談の場所としてソウルや平壌(ピョンヤン)、板門店などをめぐり協議したが、北朝鮮側が板門店を選んだという。

 この日の会合で、洪準杓(ホン・ジュンピョ)自由韓国党代表は、南北首脳会談に関して「対北朝鮮接触はいつから、どこで行ったか」や「誰が先に提案したか」などを尋ねた。これに対し、文大統領は「国外での秘密接触はなかった」としたうえで、「誰が先に提案したかについては、(昨年の)ベルリン宣言まで遡れば、私たちが先に提案したことになり、また(北朝鮮の金正恩労働党委員長が1月1日に発表した)新年の辞を振り返れば、北朝鮮側もそれに応えたと言える。自然に行われた」と答えた。 昼食会に同席したチョン・ウィヨン室長は「(南北接触は)、板門店で主に行われた。国内では(金与正)特使も来たし、北朝鮮の高官級代表団が来た」と答えた。

 首脳会談の場所として板門店を選んだのは北朝鮮だったという。文大統領は「場所については、私たちは平壌やソウル、板門店、どこでもいいと提案しており、板門店の場合、南北それぞれ管轄地域があるがどこでも良く、南側の管轄区域と北側の管轄区域を1日ずつ交互で行き来するのもいいというふうに、私たちが様々な提案をしたが、南側の『平和の家』で行うのは北朝鮮がその中から選んだもの」だと明らかにした。

南北は4月末、第3回首脳会談を板門店の南側の平和の家で開くことで合意した。写真は1月9日、平昌冬季五輪への北朝鮮の参加問題などを協議するため、南北高官級会談が開かれた平和の家の様子=写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 首脳会談時期(4月末)について、「6・13地方選挙を狙ったものではないか」という洪代表の質問に、文大統領は「早期に首脳会談を開催できる環境が整うなら、なるべく6月の地方選挙からは間隔を置いて行う方が良いという意見を提示しており、4月末頃がいいというのは、そのような話をする中で出たものだ。誰が先に(提案)したのかについては、正確に言いづらい部分がある」と答えた。チョン室長は「北朝鮮側と協議する過程で、4月末の時期を国内政治と関連して考えたことは一度もない」とし、「文大統領は(大統領)候補時代から大統領に当選すれば、就任から1年以内に南北首脳会談をする用意があると明らかにしており、2月10日に北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)特使が文大統領と面会した際、『なるべく早く平壌を訪問してほしい』と招待した」と説明した。チョン室長はまた、「(4月に実施される)韓米合同軍事演習期間にも、南北関係はモメンタムが崩れることなく維持され、北朝鮮もこれ以上韓米合同軍事演習を問題視しないという立場を明らかにしたことも、意味が大きい」と付け加えた。

 劉承ミン(ユ・スンミン)正しい未来党代表は、首脳会談開催の合意に伴う裏合意の有無を尋ねた。文大統領は「裏合意は絶対にない。北朝鮮にとっては、対話を始めること自体が見返りかもしれない。南北対話の開始で制裁と圧迫が弛緩されることはなく、贈り物をすることもないだろう」と答えた。

 文大統領は、ただし、南北首脳会談に対する過度な期待には警戒を示した。文大統領は「首脳会談は国際的な対北朝鮮制裁の中、非核化のロードマップに対する韓米間の合意に沿って進めなければならないため、首脳会談で多くの合意ができるとは思わない」と述べたと、劉代表が伝えた。劉代表によると、文大統領は「就任1年足らずで行う首脳会談だがら、予防接種を兼ねたもの」とも話したという。

 一方、文大統領と与野党の代表たちの会合以外にも、対北朝鮮特使団が5日に4時間以上にわたり面会した金正恩(キム・ジョンウン)委員長の印象について、大統領府関係者は同日、記者団に「金委員長に初めて接した特使団が金委員長について『率直かつ大胆だった』と話した」と伝えた。韓米合同軍事演習や首脳会談の場所選びなど、対北朝鮮特使団が協議の難航に備えて用意したカードを使う必要が全くなかったという。

キム・ボヒョプ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/835105.html韓国語原文入力:2018-03-07 22:34
訳H.J

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