「朴槿恵(パク・クネ)‐チェ・スンシルゲート」を捜査するパク・ヨンス特別検察官が15日「朴槿恵大統領の調査は一回で終わらせることが望ましいが、(必要な場合は)追加調査をする可能性もある」という意向をほのめかした。現職大統領に対する「礼遇」には気を配るが、これまで検察捜査に一貫して非協力的だった大統領府も特検捜査に誠意ある姿勢を示せという「警告」と解釈できる。特検チームは職権乱用の疑いを受けている金淇春(キム・ギチュン)元大統領秘書室長らを出国禁止にするなど、捜査チームの本格稼動のために予熱しはじめた。
パク特別検察官はこの日の記者懇談会で「国民が一日も早く『チェ・スンシルの沼』から抜け出せるよう努力する」と明らかにした。彼は朴大統領の調査の時期と方法を問う質問に「大統領を2回、3回と調査することはできない。完璧な準備をした後に最大限一度で調査を終えなければならない」と述べながらも、調査の回数については「最大(調査)しても2回まで」とし、余地を残した。朴大統領が一貫して否認と黙秘を貫ぬく場合、追加補強調査もありうるという趣旨だ。調査の場所については「大統領が(特検事務室に)来るのは警護上問題が多い。礼遇する」とし、大統領府や「第3の場所」での調査を示唆した。
これに先立ち特検チームは、大統領府の追加家宅捜索の必要性を取り上げ圧迫した。イ・ギュチョル特別検察官補は定例会見で「大統領府でもどこでも、捜査の過程上必要であれば(強制捜査を)講じる予定」とした。これと関連して特検チーム関係者は「大統領府が家宅捜索を拒否することはできるが、国民が納得できるレベルで特検法の権限を最大限活用する方法を考えている」とした。これに先立って、検察特別捜査本部は大統領府に対して3回の家宅捜索を行ったが、「大統領府のドアの前で」で関連資料を任意提出させる形式にとどまった。
一方、特検チームは「捜査開始日」に関して、法務部の法律解釈まで受けるなど慎重なようすだ。捜査期間が70日というぎりぎりの状況で、30日の延長権限を持った黄教安(ファン・ギョアン)大統領権限代行が協力的に出るかどうか分からないためだ。このためパク特別検察官は、特検法が定めた捜査準備期間20日をきっちり活用した後、20日または21日から家宅捜索など全方位捜査に本格着手する意思を明らかにした。彼は「捜査着手とともに被疑者、参考人調査など攻撃的捜査を行う。捜査は一方向だけにはしない」と予告した。そして最近チェ・スンシル国政壟断事件の国会国政調査特別委員会聴聞会に出席した一部の証人たちの陳述について「分かりきったことを偽証している」とし、特検チームが検討した捜査記録などと背馳する供述があることを明らかにした。最近特検チームは、聴聞会に出席した金淇春元室長をはじめ、「大統領の秘密診療」を通じた事業の特恵疑惑がある「キム・ヨンジェ医院」のキム・ヨンジェ院長、朴大統領の諮問医だった緑十字アイメッドのキム・サンマン元院長などを出国禁止した。