国家情報院の書き込み事件捜査で左遷…朴大統領の“逆鱗”
「復讐捜査」という憂慮 …「本人も腐心」
パク・ヨンス特別検察官「そんな人なら選ばない」
チョン・ユンフェ文書、ウ・ビョンウの人事介入等、捜査可能性高まる
1日にパク・ヨンス特別検察官が特検捜査チーム長として派遣を要請した大田高検のユン・ソクヨル検事は、朴槿恵(パク・クネ)政権初期、国家情報院の大統領選挙介入書き込み事件でも捜査チーム長を務め、結局左遷性人事にあった。
ユン検事は最高検察庁中央捜査部中央捜査1課長(2011年), ソウル中央地検特殊1部長(2012年) など検察捜査力の最頂点部署を経て、 朴槿恵政権初年度である2013年4月、チェ・ドンウク当時検察総長により国家情報院書き込み事件でも特別捜査チーム長として派遣された。定期人事で驪州(ヨジュ)支庁長に発令された直後であった。彼は“風除け”になってくれたチェ総長が婚外子問題で辞任した後も、検察首脳部の反対を押し切って国家情報院職員を逮捕するなど捜査意志を曲げなかったが、そのため職務排除決定を受け、さらに1カ月の停職処分にあった。同年の国政監査では、当時法務部長官だったファン・ギョアン首相とソウル地検のチョ・ヨンゴン庁長などの捜査外圧を暴露して大きな波紋を引き起こした。以後の定期人事で閑職の大邱(テグ)高検に左遷されたユン検事は、今年初めの人事でも大田(テジョン)高検に左遷された。検察内外では、キム・ギチュン前大統領秘書室長とウ・ビョンウ前大統領府民政首席秘書官が介入したという疑惑を受けている検察の報復性人事の最大の被害者という声が出ている。
特検法は「最高検察庁など関係機関の長に所属公務員の派遣勤務及びそれに関連する支援を要請することができる」と規定しており、「要請を受けた関係機関の長は必ずこれに応じなければならない。これに応じない場合、懲戒を要請することができる」となっている。過去の特検の場合、派遣検事を要請すれば法務部と最高検察庁が司法研修院の期数などを勘案して派遣対象を選抜して来た。パク・ヨンス特別検察官のように特定の検事を指名して派遣要請するのは異例なことだ。検察関係者は「特検の要請を受けたからといって無条件にその検事を派遣するのではなく“協議”をするようになっている。それでも最近のような状況では法務部がユン検事の派遣を拒否し難いのでは」と言った。
捜査チーム長は歴代特検の最大規模である20名の派遣検事と検察・警察・国税庁の派遣公務員40名を指揮する地位で、特検法が定めた14の捜査対象とセウォル号の7時間の疑惑など追加の認知捜査を担当する。最高検察庁の関係者は「検察の捜査結果より多くの成果を上げなければならない特検が、ユン・ソクヨルという“よく切れる刀”を抜いた。60人に達する捜査チームを指揮して複雑な捜査内容を掘り返していくためにはユン検事が適格だと判断したようだ」と話した。ユン検事は2006年最高検察庁中央捜査部が鄭夢九(チョン・モング)現代自動車会長を拘束起訴した当時、中央捜査部の研究官室長だった。当時の捜査ラインが「パク・ヨンス中央捜査部長-チェ・ドンウク捜査企画官-チェ・ジェギョン中央捜査1課長-ユン・ソクヨル研究官」だ。ユン検事は2008年初めの李明博(イ・ミョンバク)大統領当選者を調査したBBK株価操作事件の特検チームにも派遣された。
ユン検事は最近「既に現政権に刀を抜いたことのある人間」だとして特検チーム合流の意思がないことを明らかにしていた。また別の検察関係者は「検察を離れて久しいパク・ヨンス特別検察官が自分の知っている後輩現職検事の中でユン・ソクヨルの捜査力が最高だと判断したのだろうが、ユン検事の立場としては復讐のように見えるのではということで自らずいぶん腐心しただろう」と言った。実際、過去に国家情報院の書き込み事件特別捜査チーム員だった人々は、ユン検事の特検チーム参加を懸命に引き止めたが、パク特別検察官の要請を遂に振り切ることができなかったという。これについてパク・ヨンス特別検察官は「ユン検事が(政権に対する)復讐捜査をするような人だったら選びはしなかっただろう。復讐は映画にでも出てくる話だ」と言って一蹴した。ユン検事は盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権でアン・ヒジョンやカン・グムウォンなど大統領の側近を拘束捜査するなど、政治的偏りもないという評価を受けている。
パク特別検察官とユン検事を両方ともよく知っているある検事は「特検がユン検事を抜擢したことから見て、2005~2007年の最高検察庁中央捜査部ラインナップを中心に特検補と派遣検事など特検チームの柱を組むものと見られる」と言った。ユン検事の捜査チーム長抜擢により、ウ・ビョンウ前民政首席の検察捜査及び人事介入に対する捜査の可能性もいっそう高まったという見通しが出ている。朴大統領の「チラシ」発言の確認に終わったチョン・ユンフェ文件流出事件捜査、「ウ・ビョンウライン」に捜査を任せたという疑惑を受けているウ前首席告発事件捜査、最高検察庁のチェ・スンシル国政壟断事件割当て問題などについても特検捜査が進められる可能性が見込まれる。
韓国語原文入力: 2016-12-01 20:34