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[ニュース分析]国公立大学の“総長直選”を守り続けた釜山大に異変…

登録:2015-08-18 01:07 修正:2015-08-18 08:30
教育部の間接選挙圧力に4年間抵抗
17日、キム・ジェホ釜山大教授会会長(左)とアン・ウォンハ釜山大法学専門大学院教授が、教育部の総長間接選挙制方針により大学本部が直選制を廃止しようとしていることに反対し、釜山大本館前に設置したテントで断食座り込みをしている =釜山/キム・グァンス記者//ハンギョレ新聞社

 17日、釜山大のコ・ヒョンチョル教授(54)が極端な選択をしたのは、教育部の執拗な総長直選制廃止の圧迫が大きく影響したというのが学校内外の大勢の分析だ。

直選制死守公約で総長に当選
教育部“支援削減”圧力に
当選の翌年に公約を放棄
教授会210日間座り込み…総長不信任決議
キム総長「直選制維持」約束書簡
教育部の圧力が強まると再び「なかったことに」
学校側、学則改定に着手 表明
教授たち、6日から交替で断食座り込み

 国公立大学の中で唯一直選制を維持してきた釜山大は、2011年10月に総長直選制維持を公約として掲げ、4年任期の総長に当選したキム・キソプ総長が、当選の翌年になって間接選挙制に切り替えると明らかにし、大学側と教授会が正面から衝突した。 教育部が2012年1月、「国立大学が総長直選制を廃止しなければ、教育力量強化事業の事業費支援対象から除外するか支援金を大幅に削減する」と圧迫すると、キム総長は態度を変えた。

 釜山大教授会はキム総長の方針に強く反発した。 2012年8月29日から翌年3月28日まで210日間にわたり総長室付属接見室の占拠座り込みを行ったのに続き、昨年12月には総会を開いて直選制維持を決議した。 ソウル大など全国40校余りの国公立大学は、教育部の圧力に屈服して事実上“白旗投降”したが、釜山大は教授会議の反対で唯一直選制を維持してきた。

 キム総長と教授会議の葛藤は今年に入って一層深まった。教授会との交渉を続けながら教職員に送った書簡等を通して直選制の維持を何度も約束したキム総長は、今年6月に教育部の圧力に耐えられず結局直選制放棄意思を明らかにしたのに続き、今月4日「次期総長候補者を間接選挙制で選出することを最終決定した。 約束した総長直選制を守れず再度謝る」と明らかにした。

 これに対抗して釜山大教授会は、6日からキム・ジェホ教授会長が釜山大本館前で教育部の総長間接選挙要求中断と釜山大大学本部の間接選挙規則改定の撤回を要求して断食座り込みを行っている。 一部の教授たちも毎日交替で断食に参加している。

 釜山大大学本部側は「直選制で総長候補を推薦すれば、教育部が大統領に任用推薦をしないだろうし、そうなれば行政の空白が憂慮される。 地方大学の財政が厳しい状況で、教育部の財政支援まで切られれば致命的なので仕方ない」という態度だ。

 キム・ジェホ教授会長は「民主化運動の産物である国公立大総長直選制は、大学の自律性保障と学問の自由のために必ず守らなければならない。 真の価値を守るには代価を払わなければならない。 慶北大などの事例を見れば、間接選挙制で推薦しても教育部が大統領に任用推薦するという保障もない」と反論した。

 クォン・ジンホン全国8拠点国立大学教授会連合会常任会長は、「釜山大の教授たちが直選制を死守するために最後まで戦うことを支持する。20日、済州大で拠点国立大教授会連合会総会を開き、釜山大教授会支援方案と総長直選制闘争方案を用意する」と話した。

 コ教授の投身の知らせに教育部は非常に当惑している雰囲気だ。教育部は釜山大の「総長間接選挙制転換」学則は適法だという判決が今年6月に大法院(最高裁)で最終確定したことを受けて、今年末の次期釜山大総長選挙は間接選挙制で行われると予想していたという。 しかし大法院判決以後にも釜山大内部で総長選出方式を巡って葛藤が続いている上に、教授会長の断食座り込みなどに発展する様相を見せ、事態の展開に注目してきた。 教育部高位関係者は「釜山大は教授会が学則無効訴訟を提起し、何年も引き延ばしてきたが大法院判決で結論が出たのにこうしたことが起きて当惑している」と話した。

釜山/キム・グァンス記者、イ・スボム記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/704809.html 韓国語原文入力:2015-08-17 21:34
訳J.S(1847字)

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