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「政府がお金で侮辱」セウォル号犠牲者の母親たちが涙の剃髪

登録:2015-04-03 01:46 修正:2015-04-03 08:09
セウォル号犠牲者の母親たちが2日午後、ソウル鍾路区世宗路光化門広場でセウォル号特別法施行令案の即刻廃棄、セウォル号船体引き揚げ公式宣言まで賠償・補償手続き全面中断などを政府に求め、剃髪を行っている。 イ・ジョングン記者//ハンギョレ新聞社

 「真実糾明には沈黙していたのに…」賠・補償手続きの全面中断を要求
 「特別委施行令の撤回と船体引き揚げの要求に先に答えよ」
 明日2回目の剃髪・徒歩行進

 子供を失った両親たちが子供たちの1周忌を控えてついに髪の毛を剃り落した。 剃髪をする者も、これを見守っていた市民たちも、涙を流さずにはいられなかった。 彼らは「お金の上乗せを求めているわけではない」と訴えた。

 2日午後、セウォル号犠牲者・生存者家族が、政府が立法予告したセウォル号特別法施行令案の廃棄と、セウォル号船体の引き揚げを公式宣言するまで、すべての賠償および補償手続きを中断することを求め、団体で剃髪を行った。

 家族150人はソウル光化門(クァンファムン)広場で記者会見を開き「政府が惨事1周期以前にしなければならないことは、船体引き揚げを通した行方不明者の完全な捜索と徹底した真相究明であって、賠償と補償ではない」と主張した。 前日政府が犠牲生徒1人当り8億ウォン(約8800万円)を支給するという賠・補償支給基準を発表したことについては、「犠牲者・被害者家族をお金で侮辱する政府を糾弾する。 賠・補償手続きを全面中断しろ」と要求した。

 彼らは政府の賠・補償金発表が「施行令案の廃棄を求める世論の沈静化を図るとともに、遺族がお金の上乗せを狙って座り込みを行っているかのように見せようとしているのは明らかだ。 このような政府の態度に怒りがこみ上げる」とした。

 剃髪を行った人たちは合わせて52人。48人は光化門広場で、いまだ全南・珍道(チンド)を離れられない4人は彭木(ペンモク)港で髪の毛を剃り落した。剃髪をした人たちは「歪曲されがちな私たちの意向を正しく伝えるとともに、真相究明を絶対諦めないという意志を込めて剃髪する」と述べた。 5組に分けられて10分ずつ行われた剃髪の途中、光化門広場あちこちでは泣き声が絶えなかった。

 故チョン・ドンス君の父親のチョン・ソンウクさんは「私どもが求めているのがお金ですか? そうではありません。天にいる子供たちに恥ずかしくない親となり、安全な社会を作れるように国民の皆様が助けてください」と訴えた。 “ユミンさんのお父さん”で知られるキム・ヨンオさんは「政府施行令案は再び時間を昨年4月16日の原点に戻してしまった。 セウォル号が再びまた沈没している」と主張した。

 子供たちの名札を胸に付け、顔写真が入った学生証を首にかけた母親や父親の髪の毛は、電動理髪器によってバッサリと切り落とされた。 ある犠牲生徒の母親は「髪の毛は百回でも千回でも丸刈りにできる。髪の毛が生え始める前に、真実が明らかになってほしい。 両親たちの力不足でもう1年が過ぎてしまったが、明らかになったことは何もない。 国民の皆様も心を一つにして共に戦ってくれるよう、お願い申し上げます」と訴えた。被害者家族らは4日、京畿道の安山(アンサン)合同焼香所から光化門広場まで徒歩行進をするのに先立ち、他の家族らがまた剃髪を行う予定だと明らかにした。

 一方、セウォル号事故1周忌を前に政府が賠・補償計画を突然発表したことをめぐり、「なぜ今、こんな方法」でやらなければならないのかと遺族の反発が大きくなっている。故イ・ボミサンの母親チョン・ウンギョンさん(45)は「船体引き揚げと徹底した真相究明の要求には何の反応も示さなかったのに、突然遺族が何億ずつ金を受け取ることになるという風に奇襲的に発表をした。まるでお金のためにデモをしているような世論作りに乗り出した」とし、悔しさを隠せなかった。故キム・チョウォン教師の父親キム・ソンウクさん(55)は「政府の発表後、周りから『またお金を受け取るのか』という電話が殺到した。 これまで遺族は政府からなんの賠・補償金をもらっていないのに、あたかも途方もないお金を受け取ったという根拠ない噂に苦しめられてきた。 真相究明と船体引き揚げ問題には沈黙を守っていたのに、不意にお金を持ち出す政府の意図が理解できない」と話した。

 安産地域の約50の市民団体は3日夕方7時、京畿道の安山文化広場で政府施行令案の廃棄と真相究明前の賠・補償中断を促す安山市民決起大会を開くことにした。

キム・ギュナム記者、安山/キム・イルウ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015-04-02 20:07

http://hani.co.kr/arti/society/society_general/685247.html  訳H.J

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