区庁の取り締まりに耐えられず
消えた江南駅11番出口の露天商
生計の根拠を覆った花壇の道…
区庁が作った“江南スタイル”
33歳の青年は江南(カンナム)駅で露天商を営み、一本2千ウォンの鶏つくねと千ウォンの串おでんを売って一日10万ウォン(約1万円)内外を稼いだ。江南区庁は企業型露天商を取り締まるという理由で一週間に2~3回取り締まりに出る。取り締まり班が準備した材料をひっくり返せば一日の稼ぎはフイになる。 昨年11月26日、青年は屋台の屋根に油の容器を載せた。 取り締まり班が出てくれば、屋台の屋根に上がってその容器の中の油をばらまいて戦うという。
パク・シヤン氏(33)はその日、狭い屋台の屋根の上で油の容器を胸に抱いて夜を明かし屋台を守った。 幸いなことに当日は江南区庁は取り締まりに出なかった。 だが数日後取り締まりは始まった。 取り締まり班員らは屋台をひっくり返し槌で破壊した。 つぶれた屋台も区庁へ持っていった。パク氏はその日呆然と座込み場で座っていた。
露店は青年の唯一の財産だ。 金のないパク氏は500万ウォンの金を借りて屋台を準備した。 区庁の取り締まりで生計手段がなくなり、どのように借金を返すのか見通しは立たない。
下の写真は一か月前にソウル地下鉄2号線江南駅11番出口から北側に列んだ20店ほどの露天商を撮ったものだ。80代のおばあさんは1万ウォンの帽子を、33歳の青年は2千ウォンの鶏つくねを売った。 そしてタコ・ホットク・トッポッキ・おでんを売る屋台があった。 今その道に彼らの姿はない。三日もたたず露店を壊す区庁の取り締まりに、結局露天商はいなくなってしまった。私たちは花壇の並ぶ街を歩いて、街の景観が良くなったと感じながらも、熱々のおでんを思い出す。しかし、今の情景は露天商の厳しく熾烈だった暮らしの根拠を覆ってしまった私たちが作った“江南スタイル”だ。