朴大統領に民主意識希薄なうえ
大統領権力自体が急速に無気力化
セウォル号、“秘線”実力者、政党解散など乱脈
中途半端な批判では巻き込まれるだけ
分断体制が温存する限り保安法が足枷に
来年は再び解放の夢を見よう
没常識な現実を整頓しながら
「大統領権力自体に急速な無気力化が起きているのが今日の危機における混乱の震源である」
ペク・ナクチョン ソウル大学名誉教授(季刊『創作と批評』編集者)が今年を振り返り、セウォル号事件、“秘線”実力者’と“門番三人組“の国政独占、憲法裁判所の政党強制解散という未曽有の事態をめぐる政権の乱脈な様相に対し論評する文を発表した。
30日、「創作と批評週刊論評」(weekly.changbi.com)に「光復(解放)70周年、再び解放の夢を」と題したコラムを発表したペク教授は、今の混乱の核心が87年体制の末期的な局面からくるものだと報告し、どちらに転がっても損しない政権の手口に振り回されがちな状況を憂慮した。
論評で彼は体制末期的な混乱の核心として「87年6月抗争最大の成果である直選大統領という憲法機関の危機」を挙げた。「大統領本人の民主憲政意識が本来希薄である点」と「統治プランのない準備不足および統治能力の欠如」に問題があるとした。さらに「誰がやっても抜本的な転換なしには収拾されない体制末期の条件が複合的に作用した」ことが大きいと指摘し、「大統領中心制を内閣制または二元執政府制に変換する補修作業で是正されることもない」と明らかにした。
憲法裁判所が統合進歩党の強制解散決定を下したことについては「ファシズムの復帰だと断定するとか、統合進歩党を擁護していると思われるのが怖くて中途半端な批判をするのは、損がない政権の手口にひっかかること」と強調した。「“従北”と一線を引く憲法裁判所に決然と抗議できず躊躇っている政界の有様」も同じだと指摘した。
その代わりにペク教授は今回の憲法裁判所決定の裏面を分析した。今回の決定は「妙手とみるより分断体制の中で私たちが数えきれないほど経験してきた“下手籠絡法”の一種」だというのだ。1987年の民主化で独裁を倒したものの「独裁の土台になった分断体制を崩すことはできなかった」ために起きている避けられない事態だという意味だ。
彼は「87年体制の民主憲法には国家保安法という“裏面憲法”が伴った」と憲法が抱えるジレンマを指摘した。今回の憲法裁判所決定は民主的法治主義原理があっても分断体制という限界がある限り“裏面憲法”が優先することを確認させたという分析だ。つまり、分断より良い体制に悩むこともないなら「北朝鮮問題に関連して憲法を抜け殻にしてしまう危険」(キム・ジョンチョル延世大学法学専門大学院教授、『ハンギョレ』 22日付)が今なお残るということだ。
ペク教授は来年に8・15解放70年を迎えるにあたり、歴史の大きな流れを変え真の「解放の夢」を見ようと提案した。今の混乱と苦悩は「87年体制の成れの果ての姿なのであり分断体制そのものの転換期」だとし「末期局面特有の混乱と退行現象」であるという。これに対し彼は断固たる態度を提案した。「分断体制の一翼である北に対する批判意識が不在で内部的自己刷新努力が欠如した集団であるなら、統合進歩党であろうが誰であろうが原則ある批判の対象としなければならない」。民主改革勢力や野党に対しても「ずっと押されてばかりではいつか強力なファシズムが代案として浮上する可能性を排除できない」と明らかにした。「朝鮮半島の南北がみな今の分断体制より良い体制を作り上げる中期的課題と、保守・進歩に関わりなく没常識な現実を南だけでも整理する短期作業を適切に配合する」作業をしなければならないということだ。
ハンギョレとの通話でペク教授は「保守側でも“守旧”勢力が主導するなかで一部合理的な保守主義者までそのヘゲモニーの中で埋没している」と前提した後、「保守・進歩の次元を越え没常識を整頓しなければならない」と話した。それと共に彼は現在の危機に対し「単純な新自由主義によって分断体制の作用抜きに机上の考えて話したり適当に糾弾して怒っていても解決しない状況であり、精巧な判断で問題を解決する緻密な“積功”が必要だ」と付け加えた。
韓国語原文入力:2014.12.30 22:24