政府、被害救済対策特別法草案を25日に国会報告
‘不可避の事故’と規定…企画財政部「人的被害のみ補償すべき」
与党も公平性を挙論「天安(チョナン)艦の水準を越えてはならない」
セウォル号事故犠牲者・被害者に対する賠償・補償問題で与野党が今週から本格議論に入るが、被害救済対策の性格が「賠償」ではなく「補償・支援」と規定される可能性が高いことに23日分かり紛糾が予想される。 また、補償・支援の範囲も、企画財政部の反対で野党と遺族の主張より縮小されるものと見られる。
セウォル号事故犠牲者の賠償・補償問題を議論する国会農林畜産食品海洋水産委員会(農海水委)のアン・ヒョテ セヌリ党幹事とユ・ソンヨプ新政治民主連合幹事など与野党議員4人で構成された「2+2TF」は、25日に各部署と農海水委関係者など実務陣がこれまでに用意してきた「セウォル号被害救済対策特別法」草案の報告を受けることにした。 この草案には、特別法案の性格と関連して、賠償を排除する方向を定めた内容が盛り込まれたものと見られる。
農海水委関係者は23日「セウォル号事故以後に与野党議員がそれぞれ発議した法案には、法案名に共通して『補償』、『支援』等の用語が使われているだけで、『賠償』という用語はない」として「(被害救済特別法案に)賠償案が入る可能性は現時点では低いと思われる」と話した。 この関係者は「国家の賠償責任が認められるには、裁判所による最終決定が出なければならず、現在国家の行為と関連して進行されている裁判は、海洋警察所属の高速艇長程度」として「(それさえも) 1審が進行中なので(現時点ではセウォル号事故に)国家の責任があるか否かを判断しがたい」と説明した。
与党と野党は事故直後から賠償・補償の用語を巡って神経戦を繰り広げた。 野党は事故収拾過程で政府に過失があった以上、欺瞞行為などの不法行為により起きた損失を補填する賠償に重きを置いた反面、与党はセウォル号事故は不可避的に発生した被害である以上、補償が適切だと主張してきた。
これに伴い「セウォル号被害救済対策特別法」草案から賠償の用語が外れる場合、野党の反発が予想される。 ウ・ユングン院内代表は『ハンギョレ』との通話で「7~8月セウォル号特別法交渉で野党が賠償の必要性を強く主張し、与野党で共感を成し遂げた」と話した。 農海水委所属の野党関係者も「先月31日の与野党合意でも『被害者に対する賠償・補償議論』と明示した」として、草案から賠償という用語が除外されることに反対した。
さらには、政府の被害救済対象が「人的被害」に限定される可能性もあるようだ。草案を準備した実務陣会議で企画財政部は「貨物車両など(物的被害)は支援対象から除かなければならない」と主張したことが明らかになった。企画財政部はまた、相当数の被害救済事業に対して事業範囲が曖昧だという理由で「強制規定」ではなく「任意規定」として入れなければならないという立場を展開したと伝えられる。 政府の支援義務を避けるためだ。
このような企画財政部の主張は、セヌリ党指導部の立場と一脈通じる。チュ・ホヨン セヌリ党政策委議長はこの日、記者らと会った席で「(セウォル号事故で物的被害を認めれば)今後、大型事故で国家が貨物まで全て補償しなければならなくなるという問題が生ずる」と話した。 また、彼はセウォル号犠牲者に対する国家補償金の金額と関連して、公平性の問題をあげ「天安艦爆沈犠牲将兵に対する補償金規模(副士官基準で1人当り7億ウォン)を越えてはならない」と強調した。