当時労組委員長など5人に「無罪」
財物損壊容疑は有罪…罰金刑
2012年<文化放送>(MBC)労組ストライキの業務妨害容疑に対して、裁判所が無罪を宣告した。 たとえ1審判決とは言え、公正放送を目的としたストライキに対して無罪が宣告されたことで、現在進行中の<韓国放送>(KBS)労組のストライキの動きにも影響を及ぼすものと見られる。
ソウル南部地裁 刑事23部(裁判長パク・ジョンス)は27日‘不法ストライキ’による業務妨害など4種類の容疑で起訴されたチョン・ヨンハ当時労組委員長など5人に全員無罪を宣告した。 前日午前11時から17時間程度続いた裁判は、市民陪審員7人が共に評決する国民参加裁判で進行された。
裁判所は業務妨害容疑と関連して「放送の公正性に関わる労使対立が2011年を通じてあり、特に使用側は2012年1月に文化放送記者会長を職務解任し人事委員会に回付した。 使用側はストライキを十分に予測できた」と無罪の理由を明らかにした。 市民陪審員団も6人が無罪、1人が有罪とした。 文化放送社屋玄関のドアを塞いで、ロビーを集会場所として使ったことを業務妨害として起訴した部分に対しても「労組がすべてのドアを塞いだわけではなく、放送局の基本業務を実際に制限したとは見難い」と判断した。 裁判所はまた‘キム・ジェチョル前社長の法人カード使用内訳を公開し、情報通信網法に違反した’という検察側の主張に対しても‘証拠不足’を理由に無罪を宣告した。 ただし、裁判所は労組が社屋の中央玄関表札板などにペイントでスローガンを書いた財物損壊容疑に対しては有罪と判断して、チョン・ヨンハ委員長に罰金100万ウォンを宣告した。 文化放送労組は‘キム・ジェチョル社長退陣’と‘公正報道死守’を掲げて2012年1月から170日間にわたるストライキを行い、使用側はこれと関連して解雇7人など160人余に対して懲戒および報復性人事措置を取った。
これに先立って、ソウル南部地方裁判所民事13部は、去る1月にチョン・ヨンハ労組委員長など労組員44人が使用側を相手に提起した解雇および停職処分無効確認訴訟で、原告勝訴判決をしており、同月南部地方裁判所民事15部も使用側がストライキで損害をこうむったとし労組と執行部16人を相手に195億ウォンの損害賠償請求訴訟を起こしたがそれを棄却した。 公正放送要求がストライキの正当な目的になりうると見たわけだ。
キム・ヒョシル記者 trans@hani.co.kr