韓国放送(KBS) <ニュース9>が、セウォル号惨事を報道する過程で朴槿恵(パク・クネ)大統領を浮き彫りさせた反面、被害者と家族の扱いを粗略にしたと反省し注目されている。 特に‘報道介入’論議をかもした韓国放送キル・ファンヨン社長を遠回しに批判する内容も含まれ、その背景に関心が集まっている。
15日<ニュース9>は‘大統領浮き彫り・遺族粗略、KBS報道を反省します’というタイトルの記事で、セウォル号被害家族に怨まれた報道を振り返って自省の声を上げた。
特に惨事2日目、朴槿恵(パク・クネ)大統領が珍島室内体育館を訪問した当時、失踪者家族の荒々しい抗議の声を消した代わりに、朴大統領を歓迎するような拍手の音が聞こえたニュース映像を反省した。 <ニュース9>は「惨事の翌日、朴槿恵大統領が珍島室内体育館を訪問した時、失踪者家族の切迫した哀訴があふれたが、KBS 9時のニュースでは、救助作業に対する問題提起は聞かれなかった」として「(以後にも)朴大統領の対国民謝罪は報道した反面、これを受け入れられないとする遺族記者会見はニュースで扱わなかった」と告白した。
また、事故当日、実際の水中捜索人員が16人に過ぎないのに、200人余に達する救助人力が投入されたという政府発表をそのまま‘書き写し’た点についても「遺族が提起した救助作業検証も適当な方法を見つけられなかった」として謝罪の意向を示した。
自社の高位職の人々の不適切な態度を遠回しに批判する内容も目についた。 セウォル号被害者に対する不適切な発言で辞退したキム・シゴン前報道局長に対しては「不適切発言論議を巡り、KBSは遺族たちの類例ない抗議を受けた」と明らかにした。 キム前局長は先月末、部署の会食の席で「セウォル号事故は300人が一度に死んで多く見えるが、年間に交通事故で死ぬ人の数を考えればそれほど多いわけではない」と話して物議をかもした。
特にこの過程で自社のキル・ファンヨン社長を遠回しに批判して目を引いた。 <ニュース9>はキム前局長が「ことごとに報道本部に介入したキル・ファンヨン社長は辞退しなければならない」と暴露した点を取り上げ、「キム前局長が記者会見でキル・ファンヨン社長がことごとに報道に介入したと暴露したが、当日のニュースでは扱われなかった」と指摘した。
これに対して<ニュース9>は「(セウォル号に関連した批判が他社報道と比べて)公営放送であり災害放送主管放送会社であるKBSに対する批判はさらに鋭かった。 最善を尽くしたとは言うが、残念な点も少なくなかったため」とし「批判と指摘を謙虚に受け入れようと思う」と自省した。 <ニュース9>は近い将来、報道本部幹部と記者たちがセウォル号報道を振り返ってみる討論会を開くことにしたと明らかにした。
ホン・ソクチェ記者 forchis@hani.co.kr