蔚山市(ウルサンシ)が壬辰倭乱の時に蔚山地域の戦闘場面を描いた日本人の絵を買うとして予算25億ウォンを編成し論難をかもしている。
蔚山市議会は4日、蔚山市が<島山戦闘図>(写真)購入予算として25億ウォンを編成したことについて審議していると明らかにした。 現在、市立蔚山博物館で展示中のこの絵は、壬辰倭乱の末期である1597~1598年に13日間にわたり島山城(現 蔚山倭城)一帯で起きた朝・明連合軍と倭軍の戦闘で倭軍将帥の家臣が説明を聞いて当時の戦闘場面を6幅の屏風3枚に描いたもので、原本は消失している。 市が購入しようとしているのは、18世紀以後に製作された模写本の中で日本人収集家が所蔵する作品だ。 蔚山博物館は 「記録でのみ残っている壬辰倭乱の際の蔚山戦闘事実を視覚的に見せる唯一の遺物だ。 色々な記録と一致しており細かく描写されている上にストーリーテリング形式を備えており保存価値が大きいという専門家たちの意見を聴き購入することにした」と説明した。
だが、蔚山市と蔚山博物館は法的義務がないという理由で市文化財委員会など関連機関・団体との公式的な協議や意見収斂は行わなかった。
蔚山市民連帯は「数十億ウォンの税金を支出する重大な事案に対して、適切性と透明性を保障する制度的装置がなかったことが問題」と指摘した。 キム・ジョンテ蔚山市議員(セヌリ党・南区5)は 「島山戦闘は朝・明連合軍が城をついに陥落させられなかった、日本としては自慢かもしれないが私たちにとっては痛恨の戦闘であった。 途方もない予算を投じてまでこの絵を買う必要があるのか確かめてみなければならない」と話した。
キム・ウリム蔚山博物館長は「予算が確定すれば絵の購入に先立ち、条例に従って専門家たちによる遺物評価委員会を構成し、価格と芸術性、歴史性、真偽を検討する」と話した。 この予算案は10日から開かれる蔚山市議会予算決算委員会で最終決定される。
シン・ドンミョン記者 tms13@hani.co.kr、写真 蔚山市提供