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リウム美術館所蔵‘金銅大塔’本来の場所に戻れない理由は…

原文入力:2010-09-07午前09:32:35(1056字)
元所有 主張 寺刹 2審も敗訴
裁判所 "具体的証明資料ない"
三星側 保有経緯 明らかにせず論難

ソン・ギョンファ記者

忠南、論山には寺刹があり、ソウル、漢南洞には美術館がある。美術館には国宝の塔がある。寺刹は‘推定資料’を根拠に塔が本来は寺刹にあったと主張する。寺刹は1000年を越える時間、波風に耐えてきた。戦争を体験し火に焼け再建されもした。美術館は塔を保有することになった経緯を明確にしない。塔はどこになければならないだろうか?

裁判所は美術館の手をあげた。塔の歴史を説明する史料が残っておらず寺刹が所有権の立証に失敗したためだ。宗教界では「文化財を本来の場所に持ってきておくのに法的争いでは限界がある」として嘆いている。

ソウル高裁民事8部(裁判長 キム・チャンボ)は論山にある大韓仏教曹渓宗,開泰寺が三星文化財団を相手に「三星リウム美術館にある国宝第213号金銅大塔(高麗時代 製作推定)を返してくれ」として出した訴訟で、1審と同じように原告敗訴判決をしたと6日明らかにした。裁判所は「開泰寺跡から出土したと推測する資料はあるが、具体的な製作年度や所有者などに関し何の資料もない」と判断した。

寺刹は上告する計画だが勝訴は難しいと見られる。940年に創建された開泰寺は壬辰倭乱などを経て、今まで寺刹を維持してきたが、塔の出処を明確に明らかにする史料は見つけられなかった。財団は‘1987年、故イ・ビョンチョル会長から受け取った’と言うだけで、それ以前の所有経緯は明らかにしていない。ソウル高裁のある判事は「立証責任は原告にある」として「美術館が出処を明らかにしなくても強制することはできない」と話した。

先立って1470年に奉納された懸灯寺石塔舍利具を巡り寺刹と財団が行った法廷争いでも財団が勝った。しかし敗訴後、曹渓宗が‘懸灯寺舍利の本来の場所をさがす推進委員会’を発足するや、財団は舍利具を戻した。

曹渓宗関係者は「この他にも財団と葛藤を生じさせる文化財が多いが、法的立証には限界がある」として「宗教団体次元で返還運動を推進するか議論する予定」と明らかにした。

ソン・ギョンファ記者 freehwa@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/438627.html 訳J.S