“アイドル”も心配する大韓民国の民主主義、試験控えた学生たちも時局宣言
ソウル大医学部本科２年のイ・サンフン(22)氏は20日朝、最高検察庁へ向かった。 「あさってが期末考査の血液学の試験」だったが学校へは行かなかった。 「あまりに腹が立って」だった。 同じ時刻、ソウル大師範学部3年のイ・ジェウク(21)氏も最高検察庁へ向かっていた。「自分の力も加えて、声を上げたかった」と話した。
この日午前10時半、ソウル市瑞草洞（ソチョドン）の最高検察庁正面前にソウル大生80人余りが集まった。 ソウル大総学生会が国家情報院の選挙介入事件批判記者会見を開いた席だ。 キム・ヒョンネ総学生会長など幹部10人余りは上気した表情だった。 ある総学生会幹部は「予想より自発的に参加した学友が多い」と話した。
いわゆる“非運動圏”に分類されるソウル大総学生会が国家情報院選挙介入事件に声を上げたのは、＜スヌライプ＞から始まった。 ソウル大生たちのインターネット コミュニティである＜スヌライプ＞の掲示板には、去る15日「ソウル大、時局宣言やりましょう」という題の文が上がってきた。 「国家機関が選挙に介入して世論を糊塗し、他の考えを持つ国民に恥辱的な烙印を捺して嘲弄しました。 私たちが学んだ社会の正義と民主主義が本に付いたインクではなく現実となるべく、私たちが声を合わせて叫ばなければなりません。」 この文は照会数9000件を超え、“共感推薦”は通常の人気掲示物の4倍を越える800回を軽く越えた。 ソウル大総学生会は学生たちの意見取りまとめに着手した。
最高検察庁前に立ったイ・サンフン氏は「＜スヌライプ＞に入って時局宣言推進の動きを知って記者会見に来た。 民主主義の花である選挙に国家権力が介入するのは深刻な犯罪だ」と話した。 イ・ジェウク氏は「左右と保守・進歩を問わず、考えのある人ならば民主主義の危機だと感じなければならない事案でないか」と問い直した。
この日昼12時、ソウル市西大門区（ソデムング）の梨花（イファ）女子大正門前では総学生会幹部が国家情報院選挙介入関連時局宣言運動の開始を知らせる記者会見を行なった。 すでに期末考査が終わり多くの学科が休みに入り、学校は比較的閑散としていたが、20人余りの学生が立ち止まって会見を見守った。 人文科学学部1年のチェ・ジュヨン(19)氏は「終講(学期末)パーティーがあるけれども時局宣言に参加するため急いで来た。 国家情報院の選挙介入は民主主義を威嚇するものだと考える」と話した。 集会を見守っていたキム・ジミン(22)氏は「時局宣言に全面的に同意する。むしろ時期的に遅かったのではないかという気もする」と話した。
韓国大学生連合（韓大連）所属の梨花（イファ）女子大総学生会もやはり学生たちの要求で時局宣言に出た。 キム・ギョンネ副総学生会長は「19日午後4時半頃からフェイスブックで署名を受け付け始めたが、一日も経たずに500人余りの学生たちが参加してくれ、流れは一層拡散しつつある」と話した。
慶煕（キョンヒ）大・聖公会（ソンゴンフェ）大の総学生会もこの日午前、時局宣言文を発表し、署名運動を進行中の東国（トングク）大総学生会とともに21日記者会見を行う。 淑明（スンミョン）女子大・韓国外大・漢陽（ハンヤン）大の総学生会なども時局宣言と関連した意見を集めている。 学生運動団体である＜21世紀韓国大学生連合＞と＜労働者連帯学生グループ＞もこの日声明書を発表した。 アイドル グループ 2PMのファン・チャンソン氏も自身のツイッターに「時局宣言、応援する。 傍観すれば変わらない」と書いた。
これに関してヤン・ハンスン亜洲（アジュ）大教授(社会学)は「学生たちが政派と関係なく声を上げなければならない問題だと判断したのだ。 法と規範を深刻に犯した事に対して多くの言論が批判しないため、基本的な良識を備えた学生たちが運動圏・非運動圏に関係なく声を上げ始めたもの」と話した。
ホ・ジェヒョン、チェ・ユビン、オム・ジウォン記者 catalunia＠hani.co.kr
訳A.K(2083字)
