習近平にオバマ説得与件 用意
南北対話通じて北-米 対話につなげる狙い
韓・米訓練中断など条件撤回
政府‘韓半島信頼プロセス’に肯定的回答
祖国平和統一委員会(祖平統)特別談話文は朴槿恵(パク・クネ)政府が一貫して維持してきた‘韓半島信頼プロセス’に対する肯定的回答と見える。 北韓はすでに先月22~24日、金正恩朝鮮労働党第1秘書の特使として中国を訪問したチェ・リョンヘ北韓軍総政治局長を通じて 「6者会談など対話交渉を通じて関連問題を解決する」と明らかにした経緯がある。
しかし5月25日、国防委員会政策局スポークスマン談話で初めて‘傀儡大統領 朴槿恵’、‘極悪な対決本性’など、朴槿恵大統領を直接ねらって激しい表現を使うことによって北韓が当分は南北当局間対話を全面拒否する可能性が高いと予想されていた。 そうした点で開城(ケソン)工業団地正常化はもちろん、金剛山(クムガンサン)観光再開と離散家族対面など包括的な南北関係復元のための今回の会談提案は予想より早い政策旋回というに値する。
まずタイミングだ。 今回の会談提案は7~8日に米国カリフォルニアで開かれる米-中首脳会談を目前に置いて出てきた。 南北対話をひとまず回復させることによって、今後北韓-米国対話に進む踏み石にするための布石と見ることができる。 チョン・セヒョン前統一部長官は「チェ・リョンヘ特使が習近平主席に明らかにしたように‘6者会談など多様な会談の形式’を希望するということは、北韓-米国対話を狙ったものだ。 南北対話が開かれれば習近平主席がオバマ大統領との会談で北韓-米国対話に出るよう米国を説得する条件が用意されうる」と分析した。
宋栄華 中国公共外交協会秘書長 兼 外交学院客員教授は、最近国内のある日刊紙に寄稿した文で「今回の米-中首脳会談では韓半島問題について両首脳が強力なメッセージを出すだろう」と展望した。 したがって今回の会談提案は先月25日に総連機関紙<朝鮮新報>が明らかにしたように、北韓が‘各種対話’に対する前向きな姿勢を実行に移すことによって6者会談議長国を務める中国の外交的立場を大きく広げる形になる。
また、北韓は経済難克服のために最近慎重に協同農場と工場などの自立権を拡大するなど、経済管理改善措置を推進してきた。 しかし南韓・中国など周辺国の協力を得られなければこのような措置は成果を出すことが容易でない。 今回の対話提案にはこのような状況を念頭に置いた国際環境整備作業の意味もあるように見える。
今回の特別談話文が南北対話を北韓-米国対話へ進む飛び石とばかり見ることはできない。 今回の談話は6・15共同宣言13周年を契機に開城工業団地正常化と金剛山観光再開のための当局間会談と共に、南北民間と政府の共同記念行事を提案している。 一言で言えば2008年李明博政府以後に跛行と断絶、悪化で綴られてきた去る5年間の南北関係を、6・15宣言の精神に立って全面的に復元しようという提案であるわけだ。 これは朴槿恵政府が北韓の持続的な軍事的挑発威嚇にも曲げることなく6・15共同宣言など既存の南北合意を尊重し南北対話の門を開けてきた点を北韓が肯定的に評価しているということを立証するものだ。
北韓が6・15宣言共同行事のみならず朴正熙大統領当時に合意した7・4南北共同声明を記念する共同行事を提案したことや、食糧支援を前面に出さず離散家族対面を提案した点などからも真正性が伺える。 何よりも去る3月に一方的に南側との通信線断絶措置を取って以来、当局間対話のためには韓-米軍事訓練など敵対行為の中断と最高尊厳(金正恩第1秘書など金秘書一家)に対する冒とく謝罪など‘根本問題解決’が必要だという条件を事実上撤回した。 これは開城工業団地の稼動中断が北韓の不当な措置によって起きたという韓国政府の論理をある程度認めたことであり、南北関係では非常に稀有なことだ。
カン・テホ記者 kankan1@hani.co.kr