北韓チェ・リョンヘ人民軍総政治局長が金正恩朝鮮労働党第1秘書の特使資格で22日中国訪問の途に就いた。
金正恩第1秘書の特使が中国を訪問したのは、昨年4月金正恩体制スタート以後初めてだ。 北-中 間の高位級交流は昨年11月李建國政治局員を団長とする中国代表団が平壌を訪問した後、中断された状態であった。
<朝鮮中央通信>はこの日 "金正恩同志の特使としてチェ・リョンヘ朝鮮人民軍総政治局長が中華人民共和国を訪問するために22日特別機便で平壌を出発した" と報道した。 また "リ・ヨンギル軍上将(韓国の中将に相当),キム・ソンナム労働党中央委員会副部長、キム・ヒョンジュン外務省副相、キム・スギル軍中将(韓国の少将に相当)と関係事務方が一緒に出発した" と伝えた。 しかしこの通信は、チェ局長が中国を訪問する目的や日程については明らかにしなかった。
この日、空港にはキム・キョクシク軍総参謀長、キム・ヨンイル党国際担当秘書、ソン・チョルジュ軍総政治局副局長、リ・ヨンチョル党副部長、パク・キリョン外務省副相とリュ・フンチャイ北韓駐在中国大使など高位要人が大挙出てきて見送った。
チェ・リョンヘ総政治局長は党中央委員会政治局常務委員、党中央軍事委員会副委員長を兼ねる名実共に軍部のNO.2だ。 2012年4月の4次党代表者会で黄海北道(ファンヘブクド)責任党秘書から総政治局長に抜擢された金正恩体制で党主導による軍部掌握を指揮してきた。 正統党僚出身であるチェ・リョンヘは、金正恩第1秘書の叔母の夫であり経済部門を総括するチャン・ソンテク党行政部長と共に昨年7月リ・ヨンホ総参謀長粛清を主導したと専門家らは見ている。
今回の中国訪問でチェ総局長に随行するリ・ヨンギルは昨年まで5軍団長を務め、今年から軍作戦の実務責任者である総参謀部作戦局長を任された。 去る3月、金第1秘書が緊急招集した戦略ロケット軍火力打撃任務に関する作戦会議にも参加した。 また、キム・スギル中将は職務が正確に確認されなかったが、今年2月に金第1秘書が主宰した党中央軍事委員会拡大会議に参加した。 この他にキム・ソンナム党国際部副部長は金正日国防委員長の中国語専門担当通訳者を務め、キム・ヒョンジュン副首相はシリア大使を務め、中東地域に対する人材送出を大幅に増やしたという。
今回のチェ局長の北韓訪問は、昨年8月チャン・ソンテク党行政部長の中国訪問に続き金正恩体制ができた後、北韓を代表する実力者による2回番目の中国訪問だ。 特に6月7~8日に予定された米-中首脳会談、早ければ6月に開かれると予想される韓-中首脳会談を控えて、韓半島情勢と北韓-中国関係、北韓-米国関係問題が幅広く議論されるものと見られる。 中国としては現在の韓半島緊張局面を北韓軍部が主導している状況で、軍部のNO.2であるチェ・リョンヘ総政治局長と主要懸案を議論するために招請した可能性が高い。
今回の北韓特使の中国訪問は、何よりも両国の関係回復に重要な契機となるものと見られる。 去る1月の対北韓安保理制裁と2月12日の北韓による第3次核実験以来、北韓-中国関係は冷却されてきた。 特に中国は今月に入り、中国銀行など主要銀行で北韓の対外決済銀行である朝鮮貿易銀行の口座を閉鎖し、北韓が中国漁船を抑留するなど、過去のいつにも増して強い対北韓緊張関係を見せている。
カン・テホ記者 kankan1@hani.co.kr