本文に移動

[社説]北の体制改編を半島平和に生かせ

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/543359.html原文入力:2012/07/19 19:16(1390字)
 電光石火のような四日間だった。月曜日朝、軍部の中枢であるリ・ヨンホ労働党政治局常務委員兼人民軍総参謀長を病気のために、前日、すべての職務から解任することにしたという<朝鮮中央通信>報道で始まった北上層部の権力再編劇。一昨日、金正恩労働党第1秘書が‘共和国元帥’の称号を受けることで幕を下ろした。リ・ヨンホの解任で空席になった総参謀長席は中国国境地域を担当する8軍団長ヒョン・ヨンチョル隊長が副元帥から昇進して受け継いだ。結論的に今回の再編は金正恩第1秘書の親政体制構築だと要約することができる。
 北の今回の権力再編は二種類の重要な関心事を投げかける。一つは再編された体制の目指すのが何かということで、もう一つはこの体制が強固に維持されるのかという点だ。まず目指すものの閉鎖と先軍主義から、開放と先経(経済優先)主義へ、変化する可能性が大きいと見られる。粛清されたリ・ヨンホが保守的軍部を代表する中枢人物で、今回の権力再編の過程で地位がいっそう高まったチャン・ソンテク国防委副委員長とチェ・リョンヘ人民軍総政治局長は、民間人出身の改革・開放指向勢力に分類される。またキム第1秘書と<労働新聞>も、最近の演説と報道を通じて先軍政治に続く経済強国建設を強調してきた。
 体制の安定性に関連しても、キム第1秘書は今回のことを公式手続きを通じて迅速で透明に処理することによって内外に自信と掌握力を誇示した。若い年齢と経験不足という外部の憂慮を強く払拭したということができる。もちろん今回の体制改編が‘内部権力闘争の終わりでなく開始’という見方もある。このような点から今回後まわしに押された保守軍部勢力が今後どんな動きを見せるかは大変重要な注目要素だ。
 今回必ず確かめて行かなければならない部分は李明博政権の貧弱なことこの上ない対北朝鮮情報力だ。
 李大統領がリ・ヨンホ解任発表の二日後に外交安保長官会議を招集して話したとされるのが、ようやく "北朝鮮の動向を継続的に鋭意注視して関連国とも緊密な協力を維持しなさい" と言うことだったというのは示唆するものが大きい。それも北がキム第1秘書の共和国元帥の称号付与を発表するわずか数時間前のことだ。強硬的な対北朝鮮政策と穴が空いた対北朝鮮情報力のせいといわざるをえない。
 李明博政府はたとえ任期末ではあるが、北の変化が韓半島安定と平和、発展に寄与できるように積極的に努力しなければならないだろう。北の変化を見守りながら任期中に金剛山(クムガンサン)観光の再開、人道的交流および支援の拡大を試みるのも良い手立てだと考える。
原文: 訳T.W