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【このひと】生活苦にある市民活動家の“つっかい棒”になりましょう

登録:2013-04-29 19:27 修正:2013-04-29 19:30
ソン・ギョンヨン(54)神父

市民団体活動家協同組合<同行>
初代理事長 ソン・ギョンヨン神父

平均月給100万~110万ウォン
4大保険・年金加入もできず
自活助けて正当な待遇切実

 「市民団体活動家が生活苦のために現場を離れるほかない現実があまりにも残念です。 銀行借り入れさえできません。 地域のある50代の活動家が涙を流しながら“共済会”を必ず作ろうと言って両手を握った時は私も思わず涙が出ました」

 市民団体活動家の生活は厳しい。 低賃金のせいで相当数が数千万ウォンずつ借金をしている。 4大保険と年金加入のできない団体が多くて老後設計は思いもよらない。

 30年近い歳月の間彼らと同苦同楽した<分かち合いと未来>の理事長ソン・ギョンヨン(54・写真)聖公会神父は、こうした残念な現実を改善しようと2年前から一肌脱いだ。 彼が考えた“代案”とは、共済組合を作り市民活動家が自ら自活の道を作って相互扶助しようというものだ。 その結果として26日、ソウル市貞洞(チョンドン)のフランチスコ会館で市民社会公益活動家共済会のための社会的協同組合<同行>の出帆式を開く。 彼が初代理事長を引き受けた。

 「結婚8年目の活動家の月給が133万ウォンだ。 活動家の平均月給はこれよりも少なく100万~110万ウォンに過ぎない。」彼は「去る50年間、民主化と人権のために犠牲的に社会的弱者を代弁してきた彼らが、現実には社会の保護を受けられずにいる。 昨年だけで6人の市民社会活動家が過労などで亡くなった」として残念がった。 その上に遺族たちが受ける補償は周りで十匙一飯で集めた200万~300万ウォンの慰労金が全部。

 ソン神父は市民活動家の法的地位も曖昧だと指摘した。 「公文書を作成する時“職業欄”に該当事項がなくて“その他”または“無職”を選択することが多い」と言った。 ブラックコメディのような現実もある。 市民団体の中堅活動家でさえ家の目上の人たちに「お前、いつ就職するんだ?」と言われたりもする。

 英国で7年間研修をしたソン神父は「ヨーロッパ各国では市民活動家は“チャリティワーカー”または“アクティビスト”と規定される尊敬される職業だ。 彼らに正当な待遇も与え、彼らを支援する財団も多い」と紹介した。 彼は「我が国の活動家は世界で類例を見ない程に社会変革運動に多大な寄与をしたけれども、身分と法的地位はあまりにもみすぼらしい」と言ってため息をついた。

 <同行>の出帆式には環境・女性・労働・地域など1千余りの各種団体が参加する。 全国的に10万人ほどと推算される市民活動家のうち、まず3万人を会員として確保する計画だ。

 彼は「いまだに貧困と差別に苦しめられている人々のために活動するのに精いっぱいで、自分のために神経を使う余裕のない彼らに、これからは関心と激励を送らなければならない。 活動家のための組合は、世の中を動かす見えない大きな力となるだろう」と強調した。

キム・ドンフン ハンギョレ社会政策研究所首席研究員 cano@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/rights/584195.html 韓国語原文入力:2013/04/24 09:43
訳A.K(1403字)