現代自動車の生産工程で広範囲に不法派遣がなされていることを示す情況が、会社の作成した資料で明らかになった。
13日<ハンギョレ>が入手した現代車蔚山(ウルサン)工場第4工場のスターレックス 艤裝ライン工程配置図を見れば、社内下請け労働者の88%が正規職と混ざって仕事をしていることが分かる。 現代車の社内下請けが正規職と一緒に働いているという事実はすでに知られているが、混在勤務の実態がこのように詳細に明らかになったのは初めてだ。 「工程配置図-41艤裝」(2012年8月14日基準)と記されているこの文書には、各工程に正規職と社内下請けがどんな位置でどれくらい混ざって仕事をしているのかが詳しく表示されている。 現代車の不法派遣の疑いを2年以上にわたり捜査中の検察も、先月蔚山(ウルサン)工場現場調査過程で第4工場の工程配置図を確保した状態だ。
第4工場のスターレックス艤裝ラインでは正規職682人、契約職121人、社内下請け(6ヶ業者) 354人が働いている。 支援班(元請け・下請け労働者が休暇などで欠勤の際に投入される代替班) 18人を除く社内下請け労働者336人のうち294人(87.5%)が正規職と混ざって仕事をしている。 工程配置図には艤裝ラインに属するドア(車のドア)、ファイナル(車のシート・運転席の計器盤)、 トリム(電線設置)、シャーシ(排気筒、タイヤ軸)等の全ての工程で正規職と下請け労働者が一緒に働いていることが示されている。
裁判所と労働委員会、雇用労働部は混在勤務を不法派遣の基本的な判断基準としている。 不法派遣の有無を判断する際に最も重要なものとして考慮される要素が、元請けが下請け労働者に対して指揮・命令をしているか否かであるが、混ざって仕事をすれば元請けの支配・介入の可能性が大きくならざるをえないためだ。 実際、最高裁は2010年7月と2012年2月、現代車の社内下請け労働者チェ・ビョンスン(37)氏に対して不法派遣の判決を下し、「社内下請け労働者はコンベヤーベルトの左右で正規職と一緒に現代車所有の生産施設および部品、消耗品などを使って、現代車があらかじめ作成し交付した各種の作業指示書などによって単純・反復的な業務を遂行した」と明らかにした。
現代車も不法派遣の核心を混在勤務と見ている。 そこで工程配置図に混在勤務をしている下請け労働者の位置を星印(★)で表示して、「優先改善対象」と記した。 現代車は作業ラインの左右に向かい合って混在勤務をするケースだけでなく、同じラインで並んで作業する混在勤務の場合も「優先改善対象」と表示した。 現代車非正規職支会のキム・サンノク政策部長は「現代車自ら生産工程を不法派遣と見て、優先的に改善しなければならないと判断しているわけだ。 第4工場は今も "工程配置図" 通りに元請け・下請けが混ざって働いている」と話した。
現代車蔚山(ウルサン)工場には第1~第5工場があって、工場ごとに生産する車種は異なるが生産工程はほとんど同じだ。 チェ・ビョンスン氏は第1工場の艤裝ラインの下請け労働者出身だ。
現代車関係者は「生産工程を合理的かつ体系的に管理するために工程配置図を作った。 (現代車の生産工程を)しきりに不法派遣だと言うので、不法派遣の素地があると見られる部分を改善するために表示しておいたもの」と話した。
キム・ソヨン記者、蔚山/シン・ドンミョン記者 dandy@hani.co.kr