8日放送文化振興会(放文振)臨時理事会でキム・ジェチョル<文化放送>(MBC)社長解任案が否決され、キム社長は席を維持することになった。 だが、大統領選挙を控えて大統領府と与党の圧力説が提起され、波紋を呼んでいる。 圧力を行使したと名指しされた人々は否認しているが、放送通信委員会や放送文化振興会(放文振)関係者たちは‘キム・ジェチョル救命’が組織的に展開されたとし反発している。
放文振野党側理事陣とヤン・ムンソク放送通信委員会常任委員、文化放送労組の話を総合すれば、放文振の野党推薦理事3人と与党推薦理事2人はキム・ジェチョル社長辞退などを要求する決議文の作成を推進した。 これらの委員は与党側キム・チュンイル理事が先月1日△社長と労組執行部が同伴辞退△告訴・告発の取り下げ△労・使相互誹謗禁止△編成・編集の公正性と経営の独立性保障など4項目を含むA4 2枚の決議文を作成し、放文振理事陣は文化放送労組の同意を要求していたと明らかにした。 チョン・ヨンハ文化放送労組委員長は「理事5人が合意したと言うので2日後に同意した。 10月20日には決議文発表にも関わらずキム社長が辞任しなければ解任するという口頭約束も受けた」と話した。 以後、キム・チュンイル理事は他の与党側理事の説得に乗り出し、先月25日の決議案採択を目標にしたという。 野党側理事はキム社長の退陣が「9割方、稜線を越えた」と判断したという。
‘社長・労組指導部 同伴辞退’等を盛り込み
与・野 推薦理事陣 5人 決議案に合意
しかし決議文の採択を2日後に控えた先月23日、キム・チュンイル理事が突然‘これ以上進めることはできない。 あきらめる’という立場を通知した」ということだ。 野党側理事は結局、先月25日に解任案を撤回した後、再推進する側に方向を定めた。 野党側ソン・ドンギュ理事は<ハンギョレ>との電話通話で「先月30日キム・チュンシク放送通信委員会常任委員と共に突然の態度変更に対する理由を問い詰めると、キム・チュンイル理事は‘キム・ムソン、ハ・クムヨルが電話して駄目だと言うので仕方なかった’と釈明した」と話した。 ソン理事は「直ちにこのような事実を明らかにしようとしたが、放送通信委員たちが1~2週間時間をくれればさらに努力してみると言った」と付け加えた。
キム・チュンイル理事は 「外圧性電話を受けたことは決してない」という立場だ。 彼は決議文作成を主導しておきながら立場を変えたことについては「キム社長はもちろん労組も一緒に辞退するべきだというのが私の考えであったし、9人の理事陣全員の同意を集めるために努力したが失敗した」とし、全員一致ができなかったので案を引っ込めたと説明した。 ハ・クムヨル大統領室長とキム・ムソン セヌリ党総括選対本部長は、キム・チュンイル理事とキム社長問題を議論した事実自体がないと明らかにした。 だが、野党側理事の言葉通りキム・チュンイル理事が決議文作成の先頭に立っていながら立場を180度変えたとすれば、純粋に自分の意志によったものとは見難い。
与党側理事陣 突然‘決議文放棄’に
ソン・ドンギュ "‘キム・ムソンの電話のせいだ’と聞いた"
キム・チュンイル "外圧電話を受けたことは絶対にない"
文化放送労組が去る7月にストライキを解除する前、放送通信委員会委員が作ったという合意文内容を暴露したのも、キム社長の退陣が‘できたご飯(準備されたもの)’だったが、大統領府や与党側の制止で失敗に終わったという観測に力を加える。 当時、イ・ゲチョル放送通信委員会委員長を除く放送通信委員4人は "公益・公正・倫理に忠実な公営放送実現のために努力し、キム・ジェチョル社長問題を国民の目の高さに合わせて解決することに最善を尽くす(この合意文は公開しない)」という内容の合意文を作成した。 この時、与野党は 「放文振新理事陣が経営判断と法常識、当然な道理などに基づき放送正常化のために乗り出す」という合意文を発表したが、放送通信委員会次元ではさらに直接的にキム社長問題を解決するという内容の非公開合意をしたわけだ。 チョン・ヨンハ労組委員長は「合意文に対してハ・クムヨル大統領室長が履行保証人になった。 大統領府と与党が文化放送事態を解決するために政治的合意をしておきながら、今になって自分は知らないと言っている」と主張した。 これに対して与党側のホン・ソンギュ放送通信委員は「合意文を作成したことは事実であってもも、署名をしたことはなく、ハ室長が履行保証人になったこともない。 強制力のない合意文に過ぎない」と話した。 文化放送労組は12日、国会環境労働委員会の文化放送聴聞会を見守った後にキム社長の解任が不可能だと判断されれば再ストライキを行うと明らかにした。
セヌリ党は朴槿恵候補側に火の粉が飛び散ることを心配している。 選挙対策委員会のある関係者は「ややもするとメガトン級の波紋を呼ぶ恐れもある」と話した。 イ・ジョンヒョン選対委公報団長は「朴候補と全く関係ない」と話した。
ユ・ソンヒ、チョ・ヘジョン記者 duck@hani.co.kr