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不平等の夜、政治はどこにあるのか【コラム】

登録:2026-11-04 01:36 修正:2026-11-04 09:34
イ・ジョンエ|論説委員
韓国不動産院の調査によると、今年9月までにマンション価格が最も上昇したのは城北区で、上昇率は14.69%。写真はソウル城北区のある不動産仲介業者。2日撮影/聯合ニュース

 2004年の第17代総選挙の投票日、ソウル市冠岳区のある小学校の投票所を取材した。少なくない有権者が「小選挙区では『開かれたウリ党』の候補に、比例代表では『民主労働党』に投票した」と語っていた。「比例代表の1票くらいは進歩政党に投じてもよいのではないでしょうか。国会で異なる主張ができる人も、少しはいるべきでしょう」。民主主義の教科書に載っているようなことを言う30代の夫婦を見て、思わず心が躍った。

 その年の総選挙は、初めて「1人2票制」が導入された選挙で、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の弾劾で逆風が吹く中、ハンラナ党の惨敗が予想されていた。民主労働党はこの選挙で小選挙区2議席、比例代表8議席の計10議席を獲得し、国会進出に成功した。「進歩政治に可能性見える」という見出しが躍った。しかし分裂と再統合、さらなる分裂に加えて政党解散事態までもが重なり、その期待は大きく打ち砕かれた。2026年、複数の党に分裂した進歩政治勢力は今も苦戦している。

 「マイホーム所有は『ローン利子』66%増…伝貰世帯は144%増」、「資産上・下位20%の住宅価格の格差290倍…2017年以降で最大」、「経済成長見通し3.6%も…消費も若年雇用も冷え込む」。近ごろは新聞を開くと、このような見出しの記事があふれている。「金持ちはますます金持ちになっていくが、貧しい人は日々苦しくなっていく」というわけだ。心配なのは、このような不平等・二極化問題の解決に「本気」で取り組もうとしている政治勢力が見えないことだ。

 「庶民と中産階級の党」を自任する「共に民主党」は、与党となってからは、彼らが「金持ちの党」と呼んでいた「国民の力」(109議席)と大差ない姿勢ばかり見せている。会議では「二極化・不平等の解消の先頭に立つ」との決意を繰り返しているが、住居不安を訴える借家居住者のための根本的な対策は打ち出していない。住宅価格が下がることを懸念するソウル・首都圏の有権者の顔色をうかがってばかりで「税金に手をつけてはならない」と言い、「供給」だけが解決策であるかのように叫んでいる。金融投資所得税に続き、暗号資産課税まで猶予しようと言って、租税の公平原則をなおざりにしている。党の内外では「改革」論争が白熱しているが、語られるのは検察・司法改革ばかりだ。「誰がより鮮明か」を競うように繰り広げられる論争は、日々の暮らしで余裕のない「自分」とは無関係な「彼らだけのリーグ」のようにしか思えない。

 12議席を占める院内第3党の「祖国革新党」もまた、信じるに足りないのは同じだ。革新党は12・3内乱事態以降、民主党の「左」を自任し、大韓民国の新たなビジョンとして「社会権先進国」を掲げている。最近では、公式ユーチューブチャンネルの名前を「不平等と戦う祖国革新党」、略して「プルサジョ」にしている。しかし、革新党が不平等の現場で闘い、社会権先進国ビジョンを実現するための政策を愚直に提示する姿勢を見せたことがあっただろうか。多くの市民の目には、「民主党との合併を控え、主導権争いをしている勢力」と映るにすぎない。

 誰を信じればよいのか。頼るところのない人々はぶっきらぼうな表情になり、制度圏政治に背を向けつつある。革新党(3%)をはじめとする少数政党の支持率が一桁にとどまり、民主党(35%)と国民の力(30%)の支持率が「無党派層」(28%)の割合と大きく変わらないという、先月30日の韓国ギャラップの世論調査の結果でそれが察せられる。

 李在明(イ・ジェミョン)大統領の支持率が67%にのぼり、同時に民主党の支持率が48%にまで上昇したのは、わずか7カ月前のことだ。当時「内乱」を擁護していた国民の力の支持率は18%にまで落ち込んだ。「我々(民主党)はそもそも進歩ではない。実際には中道保守程度のポジション」。李大統領のこの発言は、憲政秩序を守る意思のない「偽保守」を退場させ、民主党が「右」を担っていくという意志としても受け取られた。民主党が穏健保守の座につけば、死票防止心理と陣営論理に抑えつけられていた進歩諸政党は、ようやく左で堂々と自らの主張ができるようになるのではなかろうか。2004年の総選挙でのぼやっとした教科書的な多党制の光景が、ついに現実のものとなりうるという期待を、しばしではあるが抱いた。

 7カ月前のことが夢のようだ。現実では「構造的多数」論争が突如として「大統領弾劾の可能性」へとつながり、大統領が自分に甘く人に厳しい批判で反撃したことで、陣営内部のごたごたばかりが深刻化しているのだから。権力闘争に押し出され、不平等解消という課題には力が入らない。どうしてこうなってしまったのか。不平等と二極化の闇が深まる夜、夢から覚めてぼう然とするばかりだ。

//ハンギョレ新聞

イ・ジョンエ|論説委員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1285610.html韓国語原文入力:2026-11-03 18:26
訳D.K

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