25日(現地時間)に行われたブラジル大統領選の決選投票で、ルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ大統領が51.8%の得票率で、フラビオ・ボルソナロ上院議員(48.2%)を破り、4選を果たした。第1回投票で2ポイント近くの差をつけられていた状況を劇的にくつがえした。今回のブラジル大統領選では、クーデター未遂や極右による暴動で司法の裁きを受けた過激派勢力が政権奪還の目前まで迫ったが、ブラジルの民主勢力がルラ陣営に再結集し、極右政権の復活を土壇場で阻止した。
4日に行われた第1回投票でルラ大統領を上回ったボルソナロ上院議員は、ジャイル・ボルソナロ前大統領の息子だ。ボルソナロ上院議員の父親は、2022年の大統領選敗北後、陸海空3軍の参謀総長を官邸に呼び出し、非常戒厳令の布告と大統領選の結果の無効化に向けた軍事介入を打診し、翌年1月には議会や最高裁を占拠する暴動を扇動・ほう助した容疑で、昨年9月に最高裁で懲役27年3カ月の判決が確定し、現在服役中だ。ボルソナロ上院議員は今回の大統領選で父親の恩赦を公約に掲げた。「政治的報復を受けた」という被害者の構図を利用して司法の判断を否定し、極右内乱勢力の合法的な復帰を試みたのだ。
ボルソナロ派が第1回投票で首位に立ったのは、物価高、失業、治安不安など、ルラ政権下で積み重なった「民生の危機」により、「自分の暮らしを苦しくした者たちに、まず審判を下す」という大衆の怒りが広がった結果だった。これは、内乱を克服した後に登場した李在明(イ・ジェミョン)政権の国政支持率が政権発足からわずか1年で大幅に低下し、内乱を反省していない最大野党「国民の力」に対する支持率が一部の調査で与党「共に民主党」を上回っている韓国の政治状況にとっても、示唆するところが大きい。
注目すべき点は、政権を失う瀬戸際まで追い込まれたルラ大統領が奇跡的に復活したことも、やはり「民生」抜きには説明しがたいことだ。ルラ陣営は、第1回投票で伝統的な支持基盤である北東部や低所得層が密集する地域の投票率が低かった原因を「政策の効果に対する実感」の低下に求め、週5日制の電撃的な導入▽最低賃金の適正化▽貧困層への生計支援の強化といった庶民層のための「実感できる生活問題」を選挙運動の前面に打ち出した。あわせて、ボルソナロ政権が招く立憲秩序と民主主義の危機に対する、進歩派や中道層の間で薄れていた警戒心を再び呼び覚ました。その結果、1985年のブラジル民主化以来初となる「第2回投票での逆転勝利」を果たした。ルラ政権が2022年の大統領選で勝利して以来、たどってきた紆余曲折の道のりを、韓国政界も丹念に振り返る必要がある。