本文に移動

子どもを信頼して預けられるということ【イギル・ボラの日本暮らし】

登録:2026-07-25 02:53 修正:2026-08-01 07:22
イギル・ボラ|映画監督、作家
子どもが日本の保育園に入園した日、子どもをおんぶして、パートナーの母親と一緒に「にゅうえんおめでとう」と書かれた看板の前で写真を撮った=写真:タナカ・ケン//ハンギョレ新聞社

 日本の保育園は、韓国のオリニチプ(子どもの家)と同じ概念だ。保育料は、3~5歳は無償化政策で無料。0~2歳は世帯収入に応じて異なる。私の住んでいる福岡市は少子化対策の一環として、第二子からは保育料が無料。そのためか、第二子や第三子の手を握って登園する保護者の姿を頻繁に目にする。最初は、保育料を免除してくれるからって、そんなにたくさん産むのかなと思ったが、子どもを預けてみたら分かった。出産して少し育てて保育園に通わせたら生活がこんなに楽になるのだから、2人目も3人目も産んでみようかという気持ちになるのだということが。

 妊娠中にやらなければならないことの1つは、保育園の見学だ。パートナーは、育児書を読んだら産んでからは大変で回れないから、今見学しておくべきだと言った。子どもを育てたこともなく保育園に行ったこともないので、どの保育園が良いのか、どんなところを重点的に見るべきかが分からないのに、もう見て回らなきゃいけないの?と思ったが、黙って言う通りにした。いくつかの保育園を見学し、気に入ったところがなくて悩んでいたら、近所を散歩中に公園の隣にある保育園を見つけた。引っ越し先の家からとても近かった。モンテッソーリ教育の園で、過度にメディアにさらすのは子どもに悪影響を及ぼすから、家ではテレビを見せないようにすることを勧められた。0歳クラスは12人が定員で、先生の数は4人だという。保育士の表情も明るく、子どもたちも私たちを見て何者だろうと興味津々で、楽しそうにはしゃぎ回っていた。隣人には、あの園は子どもたちに雑巾で掃除させるとか、少し古い教育哲学を持っているところがあまり良くなかったと言われたが、私はAI時代にそういうことは絶対に学んでおくべきだと思っている人間なので、内心気に入った。

 何よりも、絶対にこの園でなければと思わせるものがあった。それはA4用紙に両面印刷して渡された内容だった。保育園でワードプログラムのようなもので作成されたと思われる素朴なチラシだった。園での子どもたちの過ごし方、何を食べるか、各クラスに何人いるか、延長保育の方法などの情報が記されていた。最も目を引く文言はこれだった。

 「障害児保育:障害や発達の遅れがある子とそうでない子が同じ保育園で生き生きと生活するため、共に成長し、豊かな人間性を育みます。対象は家庭で保育できない子で、心身障害や発達遅延があっても、集団生活を通じて発達を促進できると判断される子です」

 障害児保育というものは非常に当然な、当事者にとっても必要不可欠なものであるという内容だった。政府の認可でやむを得ず障害児を受け入れるのではなく、その子の成長と発達のために保育園に通うことが必要だというのが気に入った。何よりも、障害児を育てる保護者が電話で我が子が通えるかどうかを尋ねなければならないのではなく、チラシにそのような情報が掲載されているのが良かった。教育機関などのウェブサイトで、障害者や性的マイノリティーなどの多様性を持つ構成員を歓迎すると記してあったり、航空会社のウェブサイトで授乳や搾乳をする人々を積極的にサポートすると案内されたりしているのを見つけた時のような気持ちだった。歓迎する姿勢が見えるからこそ、もてなされている気持ちになるのだから。

 見学で疑問に思ったことを尋ねた時だった。パートナーが、もうすぐ生まれるうちの子は韓国語、日本語、手話などの様々な文化や言語を経験するだろうと伝えると、保育士は園にも似たような環境の子がいると言った。その保育士は「様々な文化や言語を受け入れられるから本当にうらやましい」と言った。うちは韓国と日本という、所得水準や発展度が同程度で容姿も似ている国の人間が出会って築いた多文化家庭だ。だから、その保育士の態度がすべての多文化家庭に対して示した反応だと一般化するのは難しいが、その対応が気に入った。

 この保育園の、実際に障害児や多文化家庭に属する子の割合がどれほどかは分からない。でも、案内のチラシに障害児の入所を歓迎すると記してある園なら、子どもを信頼して預けられると判断した。見学を終えた瞬間、パートナーと私は2人ともこの園を第1候補に決めた。

//ハンギョレ新聞社

イギル・ボラ|映画監督、作家 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1269533.html韓国語原文入力:2026-07-23 05:01
訳D.K

関連記事