米国のドナルド・トランプ大統領が出席していた催しで銃撃事件が発生した。大統領選挙の選挙活動期間も含めると、ここ2年で3回もテロの標的になったことになる。民主主義社会において、政治テロはいかなる理由があろうと正当化できない。民主主義の模範とされてきた米国で、このように政治暴力が繰り返される背景を冷静に見つめ直す必要がある。
25日(現地時間)のホワイトハウス記者協会の夕食会中に銃撃事件が発生し、トランプ大統領が緊急避難した。現場で制圧された射撃犯はカリフォルニア出身のコール・トーマス・アレン(31)で、カリフォルニア工科大学(Caltech)卒業後、受験予備校の講師とビデオゲームの開発者として働いてきたという。トランプ大統領は、今回の事件は単独犯によるものであり、イランとの関係はないとみていると述べた。
犯行の動機はまだ確認されていないが、近年米国で政治家を標的とした暴力が相次いでいるのは、深刻な政治の二極化を反映していると思われる。トランプ大統領は候補者時代の2024年7月、遊説先のペンシルベニア州で銃撃され負傷しており、同年9月にはフロリダ州のゴルフ場で暗殺未遂にあっている。昨年は極右系の活動家チャーリー・カークが暗殺されている。ニューヨーク・タイムズは「共和・民主両党の議員に対する脅しが急増している」と報じた。トランプ大統領は記者会見で「なぜ頻繁に暴力の標的になると思うか」と問われ、「歴史的に暗殺は最も影響力のある人物を対象に行われてきた」として、「米国の変化を快く思わない人々がいるようだ」と語った。しかし、彼が繰り返し攻撃対象となるのは、彼自身の扇動的な言行や権威主義的な統治態度と無関係ではないと考えるべきだろう。
主要な政治家を標的とした政治的暴力の頻発は、米国の民主主義が危機に直面しているシグナルだと解釈される。現在の米国は、実質的にけん制とバランスの機能が停止するなど、第三世界の権威主義国家をほうふつとさせるほど民主主義が後退している。政界が制度や手続きを通じて対立を調整するどころか、逆に分裂をあおると、過激主義と暴力が勢いを増す。トランプ大統領が批判勢力への脅しと強硬な統治を続ければ、不信と敵意はさらに強まらざるを得ない。トランプ大統領は自ら「本日の事件を契機として、違いを平和的に解決することを改めて決意するよう、すべての米国民に求める」と述べたが、まずは自分自身を振り返るべきだ。政治的暴力を止められなければ、米国の民主主義の基盤そのものが揺らぐ可能性がある。