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【社説】韓国の国家ネットワークの総体的管理の不備、これほど安易だったとは

登録:2025-09-30 06:40 修正:2025-09-30 08:33
29日、ソウル中区のソウル中央郵便局に着払い小包、安心小包、生鮮食品など一部郵便物の受付中止の案内文が設置されている/聯合ニュース

 26日に起きた韓国の国家情報資源管理院(国情資院)の火災で麻痺(まひ)した国家ネットワークが完全に復旧するまで、少なくとも1カ月以上かかるとみられる。オンライン業務の中断による国民の不便が4日間続いている中、国家ネットワークがこれまでずさんに管理されてきた情況が続々と明らかになっている。

 29日、中央災害安全対策本部によると、火災で中断された政府の647件の行政情報システムのうち、この日午後4時現在で復旧されたのは73件に過ぎなかった。邑・面・洞(区以下の行政単位)の事務所や区役所はもちろん、郵便局でも手書きの受付だけが可能だったり、一部サービスが中断されるなど、国民の不便と混乱が続いた。焼失した96のシステムは大邱センターに移転され復旧が推進されるため、正常化するまで少なくとも4週間がかかる。

 特に、2022年のカカオ不通事故当時には厳しく対策準備を求めた政府が、国のネットワークは非常に安易に管理してきたという事実に、国民的公憤が起きている。まず、国情資院は火災が発生した「無停電電源装置(UPS)」のリチウムイオンバッテリーに対し、昨年6月に使用年限10年を越えて交換勧告を受けたにもかかわらず、それを黙殺していたことが分かった。定期検査の結果で正常判定を受けたため問題はないということだった。使用年限の経過が直ちに事故原因とは断定できないが、火災の可能性を高める要因になりうる。その上、政府は事故直後に使用年限などもきちんと把握していなかった。

 データはもとより、システムもバックアップする公州(コンジュ)センター構築の遅れで被害は手のほどこしようもなく大きくなった。もし公州センターが運営されていたとすれば、大田本院とリアルタイムでデータをやりとりしながら同時運営され、国家ネットワークの麻痺は防ぐことができたはずだ。国会予算政策処は「戦争や大型災害に備えて推進したデータセンター(の構築)が10年以上遅れているのは問題」だと指摘したことがある。公州センターは当初、2012年の開庁を目標に推進されたが、これまで先送りされてきた。何よりも、歴代政権がこれをどれほど至急な課題と捉えていたのか疑問だ。2023年11月の行政ネットワーク障害事態と関連し、監査院はエラーメッセージも逃す安易な慣行と、脆弱で老朽化した装備の管理、不十分な予算投入など総体的不備にともなう結果だと指摘した。

 火災が起きた作業にはバッテリーの設置が専門ではない業者が投入されていたとか、事故発生に備えるための安全手続きが不十分だったのではないかという疑惑も提起されている。今回の火災事故を招いた直接的な原因はもとより、国家ネットワークの管理がなぜこのようにずさんに行われたのか、徹底的に究明されなければならない。問題が発生した時だけ関心を傾けていては、このような後れた事故が繰り返されるだろう。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1221413.html韓国語原文入力:2025-09-29 20:26
訳H.J

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