4日(現地時間)、フランスの有力紙「ル・モンド」は、韓国で行われている言論弾圧の実状を扱った記事を掲載した。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が万博誘致のためにフランスを訪問した直後に出た記事だ。「韓国で蘇った言論検閲」というタイトルのこの記事は、パク・ミン韓国放送(KBS)社長就任と共にイ・ソジョン「ニュース9」アンカーの降板、「ザ・ライブ」や「チュ・ジヌライブ」などの時事番組廃止が続いたことを強圧的な放送掌握と表現した。こうした状況を「過去の5・16クーデターのような軍事クーデターを彷彿とさせる」と比喩した韓国野党「共に民主党」のホン・イクピョ院内代表の発言も伝えた。また、放送通信審議委員会に「フェイクニュース審議専担センター」を設置したことに対して、フェイクニュースとの戦争を口実に放送・ユーチューブを統制しようとする意図だとし、「過去には想像すらできなかったこと」と批判した。公共放送に対する政府の介入を制限するための放送法改正案に尹大統領が拒否権を行使したことも指摘した。
尹錫悦政府のマスコミ弾圧に注目する外国メディアの報道は、約束したかのように相次いでいる。最近の韓国の状況は国際的ニュースになるほど異常だという意味だ。
先月13日付「ニューヨークタイムズ」は、インターナショナル版の1面に「言論検閲に対する憂慮の中で韓国政府がフェイクニュースを狙っている」というタイトルの記事を載せた。検事出身の大統領が就任した後、検察と警察がフェイクニュースを理由にマスコミやジャーナリストの自宅を繰り返し家宅捜索しているとし、これは韓国が民主化して以来ほとんどなかったことだと指摘した。7日には米国の国営メディアである「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」が「尹錫悦政府が批判的なジャーナリスト・メディアを記録的速度で刑事告発している」と伝えた。これに先立ち、米国の著名な時事週刊誌「ニューヨーカー」は9月30日、「憂慮される韓国の民主主義毀損」という記事で、尹錫悦政府の言論弾圧行動は「多くの人々に過去の軍事独裁時代を思い出させる」と批判した。
西欧では言論の自由を民主主義が作動するための核心的自由だとして特に重視する。これらの報道に「独裁に回帰」というニュアンスが含まれているのもそのためだ。尹大統領は外交舞台で口を開けば「自由」を叫んだ。西欧メディアの記事から憂慮の声とともに嘲笑が聞こえるようだ。