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[社説]公共放送理事長の電撃解任、李明博政権時代の放送掌握第2幕か

登録:2023-08-16 07:01 修正:2023-08-16 09:07
先月11日午前、政府ソウル庁舎で開かれた国務会議に入場する放送通信委員会のキム・ヒョジェ委員長職務代行=キム・ヘユン記者//ハンギョレ新聞社

 委員長職務代行体制の放送通信委員会(放通委)が、通常の手続きをスキップし、公共放送理事長の解任を急いでいる。放送掌握という反民主的な目標を定めておき、軍事作戦のように一気に決着を付けようとする独裁的なやり方だ。公共放送を荒廃化させた李明博(イ・ミョンバク)政権の放送掌握第2幕が本格的に始まるようだ。

 放通委は14日、全体会議を開き、ナム・ヨンジン韓国放送(KBS)理事長とチョン・ミジョン教育放送(EBS)理事の解任案を議決した。放通委は通常、毎週月曜日に常任委員懇談会を開いて案件を議論した後、これを基に水曜日に全体会議を開くが、今回は常任委員懇談会を省略して直ちに全体会議を開き、ナム理事長とチョン理事の解任案を上程した。放通委の常任委員5人のうち、委員長を含めて2人が空席の状態で、与党推薦のキム・ヒョジェ委員長職務代行とイ・サンイン委員が多数決で解任を強行しようとしている。野党推薦のキム・ヒョン常任委員は、案件および日程協議の過程で排除されたと明らかにしている。

 同日、文化放送(MBC)の大株主である放送文化振興会(放文振)のクォン・テソン理事長解任聴聞会も行われた。クォン理事長の解任は、16日の放通委会議で同様の方法で処理されるものとみられる。一連の無理なやり方から見て、大統領室をはじめ上層部と大きな枠組みでの合意があったという疑惑が生じざるを得ない。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は野党推薦の放通委常任委員候補者である共に民主党のチェ・ミンヒ元議員の任命を拒否し、政府・与党に有利な現在の2対1の構図を作った。

 両理事長の解任推進は、事実関係とは別に手続き的にも穏当でない。放通委はナムKBS理事長の業務推進費使用とクォン放文振理事長の監査院法違反などを解任理由に挙げているが、ナム理事長は根拠を挙げて積極的に反論しており、クォン理事長のケースは、MBCの資料を放文振が代わりに受け取って提出しないことをもって監査院が監査妨害だと主張しているのだ。この程度の事案が理事長解任理由に該当するかどうかも疑問だが、放通委の検査・監督結果はもちろん国民権益委員会と監査院の調査および監査結果など、いかなる公式的な事実確認もない状態だ。捜査もされていない状態で判決を下すのと同じだ。明らかな手続き違反だ。イ・ドングァン放送通信委員長候補者の就任前に事の処理を終えるために、あらゆる強引な手法を重ねているのだ。後で裁判所で不当な解任という結果が出ても構わないという調子だ。その時はすでに放送掌握を終えた後だからだ。このように公共放送の理事長を無理やり交代させた後、尹錫悦政権は一体何をしようとしているのか。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1104156.html韓国語原文入力:2023-08-14 02:40
訳A.K

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