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【社説】韓米同盟の分断狙う保守野党代表、「国益」は眼中にないのか

登録:2026-05-11 09:14 修正:2026-05-11 10:07
野党第一党「国民の力」のチャン・ドンヒョク代表が9日、忠清南道天安で開催されたキム・テフム忠清南道知事候補の選挙事務所開所式に出席し、発言している/聯合ニュース

 韓国保守野党「国民の力」のチャン・ドンヒョク代表が、米国の親トランプ・保守系インターネットメディア「デイリーコラー」に、「韓国は数十年にわたり『アンクル・サム(米国)』の友人だったが、いま大きな問題に直面している」と題する文章を寄せた。チャン代表は、李在明(イ・ジェミョン)政権が親中、親北朝鮮、社会主義路線を展開し、70年間にわたって堅固に維持されてきた韓米同盟を損なっていると主張した。国際情勢が揺れ動く中、国益のために声をひとつにしても足りない状況にあって、野党第一党の代表が先頭に立って自国政府に対する米国の政権と世論の不信感をあおっているのだ。チャン代表に「国益は眼中にないのか」と問いただしたい。

 チャン代表はこの寄稿で「現政権は韓中関係の『全面復元』を宣言したほか、北朝鮮体制を『尊重』するとの立場を表明した。また、北朝鮮に対するビラ散布を禁止し、韓米合同軍事演習を縮小する考えを示唆した」として、「大韓民国の経済・安全保障の主権が徐々に侵食されつつある」と主張した。そして「(李在明政権は)自由世界側に条件をつけずはっきりと立つのか、それとも立たないのか、どちらかを選択すべきだ」とも述べた。米国とイランの戦争と米中競争の深まりにより韓国の外交力が試されている時期に、韓国政府に親中・反米フレームをはめ、米国との隙間を広げようとしているようにみえる。

 政界ではこのことについて「李在明政権に対する米国内の親トランプ勢力の懸念と不信を世論化し、6月3日の地方選挙で国内の保守層を結集させるためのもの」という解釈が示されている。実際にチャン代表のこのような主張は、「李在明大統領の政権発足で韓米同盟にひびが入ることで韓国の外交的信頼が地に落ちるとともに、経済・安全保障が急激に低下せざるを得ない」とする「ユン・アゲイン」などの極右勢力の声にこたえるものだ。チャン代表はソウルの外国特派員クラブに招かれた8日の懇談会でも「戒厳が国民を傷つけ、どんな混乱を招いたのか分からない」だとか、「戒厳を解決する唯一の手段は弾劾ではなかった」などと、ユン・アゲイン勢力に同調する発言を繰り返した。

 しかし、いかなる選挙もユン・アゲインのような強硬支持層の支持だけでは勝てない。たとえ今回の選挙で勝利したとしても、米国と中国のいずれか一方の側に立つ外交は、いつでもブーメランのように返ってこざるを得ない。チャン代表は、目先の政治的目的のための分断外交はやめるべきだ。でなければ、国民の「力」ではなく「お荷物」になってしまったという批判は免れないだろう。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1257976.html韓国語原文入力:2026-05-10 18:22
訳D.K

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