今月18日に開かれる韓米日3カ国首脳会談で、安全保障分野における韓日協力を大幅に強化する案が議論されているという。米国は今回の首脳会談で発表される共同声明に、韓国や日本が攻撃を受けた場合「互いに協議する義務がある」と明示するなど、安全保障における韓日の連携強化案を盛り込むことを目指している。「フィナンシャルタイムズ」が1日付で報じた。韓米日首脳間のホットラインの構築や3国の共同軍事演習、サイバーセキュリティーをめぐる協力強化措置なども含まれると予想される。3カ国首脳会談を定例化する案も進められている。これまで多国間首脳会議を機に集まっていた韓米日の首脳が単独で首脳会談を開くのは今回が初めてで、これが定例化し安保協議体のように運営される可能性が取りざたされている。
共同声明の具体的な内容は3カ国の間で協議が進められており、まだ確定したわけではない。しかし、米国が安全保障分野における韓米日3カ国の協力を後押しするため、韓日の間にも同盟に準ずる安全保障上の協力を制度化する体制を作ろうとする動きといえる。米国はインド太平洋で中国をけん制するため、安全保障分野における韓米日の連携を強化しようとしており、そのために韓日協力の強化を進めてきた。ジョー・バイデン米大統領は先月29日にも中国けん制が成功しているとし、韓日の和解は「根本的変化」だと強調した。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が歴史問題をめぐる日本の反省を消し、様々な分野で韓日関係の強化を図ったことで、安全保障分野における韓米日の協力が急速に進んでいる。
問題は、米国にとってはこれを中国けん制に活用して得られる戦略的利益が明白だが、韓国にとっては得られる利益に比べマイナス面が大きすぎるという点にある。北朝鮮の核能力の高度化と朝中ロの密着、台湾をめぐる東アジアの緊張の高まりなどの安全保障状況の変化に備え、韓米、あるいは韓米日の協力強化もある程度は必要だ。しかし、韓日の歴史問題の公正な解決を求める努力を完全に放棄し、軍事協力に向けて突き進むことが果たして望ましいだろうか。戦略的にも、韓米日の軍事協力が強まれば強まるほどその対峙側にある北朝中ロの関係も緊密になる可能性が高い。中国との緊張を管理せず、米国の戦略に従って中国けん制の最前線に立つのは、韓国の安全保障と経済を非常に危険にさらす恐れが大きい。韓国政府はこのような現実をきちんと考慮し、できるだけ慎重に米国と交渉しなければならない。