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G7サミットの招待国の首脳として日本を訪問中の尹錫悦大統領が5月21日、広島のグランドプリンスホテルで開かれた韓米日首脳会談に先立ち、米国のジョー・バイデン大統領、日本の岸田文雄首相との記念撮影後、会談場に向かっている/聯合ニュース

　今月18日に米国のキャンプデービッドで開かれる韓米日首脳会談を機に、3カ国の首脳会談を定例化する案が進められていることが分かった。定例化が決まれば、3カ国首脳会談は中国けん制をめぐる協力など3カ国の「戦略的連携」を強化する枠組みの役割を果たすものとみられる。

　韓米日政府は3カ国首脳会談の定例化を実務レベルで協議し、首脳の承認を得て確定する案を進めているという。これまで3国の首脳会議は多国間首脳会議を機に必要に応じて行われてきた。他の契機もなく3カ国首脳会談のために韓米日の首脳が集まるのは、今度の首脳会談が初めて。同会談が定例化すれば、主要7カ国首脳会議（G7サミット）のように3カ国が交互に議長国を務め、行事を開催するものとみられる。

　韓米日首脳会談の定例化は、米国が中国けん制の強化など世界戦略の次元で韓日の「和解」を促してきた中で進められている。ジョー・バイデン大統領は29日、メイン州フリーポートで開かれた選挙運動行事で、今回の首脳会談の日程を紹介し、「日本と韓国の指導者を（キャンプデービッドに）招く」とし「韓国と日本は第2次大戦以降、（最近）和解した。これは根本的な変化（fundamental change）だ」と述べた。バイデン大統領は、中国けん制に向けた米日豪印の協議体「クアッド(QUAD)」について説明し、自身が習近平国家主席にかけた言葉を紹介するなど中国に対するけん制が実を結んでいると主張し、韓米日首脳会談に触れた。

　3カ国首脳会談が定例化すると、北朝鮮問題などで3カ国の協議と協力がさらに緊密になるものとみられる。多国間首脳会議に伴う短時間の会談よりも密度のある議論が可能になり、3国首脳レベルの重要な合意や宣言を導き出すことも容易になる。韓国としては、米日をそれぞれ相手にするよりも米国または米日の意図に巻き込まれる構造が強まる可能性がある。尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領など韓米日首脳は、5月に広島で開かれたG7サミットを機に会談した際、「3カ国の連携を新たな高みに引き上げる」と明らかにした。

　英紙「フィナンシャルタイムズ」は同日、この問題について詳しい4人の消息筋の話として、ホワイトハウスが今回の首脳会談の共同声明で、韓日が攻撃を受けた場合、他国（韓国は米日、日本は韓米）との協議を義務付ける内容を盛り込むことを望んでいると報じた。また、3カ国間の首脳レベルの「ホットライン」の開設▽合同演習▽サイバーセキュリティ▽ミサイル防衛（MD）▽経済安全保障に関する協力を強化する内容を盛り込むために協議を進めていると報じた。今回の首脳会談を通じて、韓日関係が事実上「準同盟」へと根本的な変化を遂げることになるわけだ。

　これと関連し、米国はインド太平洋戦略の次元で韓米日首脳会談の意味を強調し、期待感を示した。ホワイトハウスのカリーヌ・ジャンピエール報道官は28日、首脳会議の開催を発表し、「3カ国首脳はインド太平洋全般に関する協力の拡大について話し合う」とし、「グローバル及び地域的安全保障に対する挑戦の解決、ルールに基づいた国際秩序の促進、経済的繁栄の強化という共通のビジョンを進展させる」と述べた。

　韓米日首脳会談の定例化などで3カ国の密着が強まると、その反対側にある北朝鮮と中国、ロシアの密着も強化される可能性がある。先日、北朝鮮が停戦協定締結70年を迎えて開いた「戦勝節」の記念行事には中国とロシアの高官級代表団が出席し、結束力を誇示した。

　韓米日首脳会談の定例化が進められるのは、2008年の年次開催を約束した韓中日首脳会談が2019年に中国の成都で開かれたのを最後に開かれていないことと対比を成している。同会談が中断された背景には、新型コロナウイルス感染症の大流行と歴史問題をめぐる韓日の軋轢があった。現在巡回議長国である韓国は年内の開催を進める方針だ。しかし、米中の対立が深まる中、日程が順調に決まるかどうかは不透明だ。

　一方、チョ・ヒョンドン駐米韓国大使は31日、ワシントン特派員らとの懇談会で、今回の韓米日首脳会談は「初めて多国間首脳会議という契機なしに単独で開催されるもの」だとしたうえで、「バイデン大統領就任後初めてキャンプデービッドで開かれる首脳会談」だと意味づけた。また「今回の首脳会談の背景には韓日の関係改善に向けた我々の主導的な努力がある」と語った。