尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が日本の慶応大学で講演し、「朝鮮は我が古代の領土」と主張した侵略論者の発言を引用したと批判されている。
尹大統領は訪日2日目の17日、慶応大学を訪れ、「韓日未来世代講演会―尹錫悦大統領、学生と未来を語る」で大学生170人余りを前に「私たちの未来のための勇気」という表題で講演した。尹大統領は明治時代の思想家である岡倉天心(1863~1913)の「勇気こそが命の鍵」という言葉を引用し、韓日両国民に必要なのはより良い未来を作るための勇気だと述べた。
これに対し、韓信大学のハ・ジョンムン教授(日本学)は同日、本紙に「岡倉天心は典型的な朝鮮蔑視論と侵略論の持ち主であり、植民地支配に積極的に賛成した人物」だと語った。
実際、岡倉は1904年に出版した『日本の覚醒』で、「朝鮮半島は、元来有史以前の時代の間に我々によって植民地を開かれた。…我々の上代の伝説は、我が皇祖(天照大神)の御弟君、素戔鳴尊(すさのおのみこと)の朝鮮御移住を物語っている。そして朝鮮の始祖檀君王は、或る歴史家の中には、素戔鳴尊の御子であったと考えている者もある」と書いた。
本にはまた、「(神功皇后の三韓征伐以降)我が年代記は、第八世紀まで(つまり500年間)は、植民地の上に加えられたる我等の保護の記事に充ちている」とし、「何処かの敵対国がこの半島(=朝鮮半島)を占領せる暁は日本へ軍隊を送るのは容易に出来ることであろう。何となれば朝鮮は、いつも尖っている懐剣の如く、日本の真の胸に向って横たわっているからである」という記述とともに「余儀なく我が古代の領土たる朝鮮」と書かれている。
ハ教授は「大統領と補佐陣の歴史認識と日本に対する視点の問題点を克明に示した事例として、間違いなく批判されるべき点」だと指摘した。