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[社説]「戦術核」の脅威高めた北朝鮮と「戦術核再配備」の可能性残した尹大統領

登録:2022-10-12 06:25 修正:2022-10-12 22:55
北朝鮮が10日、朝鮮労働党創党記念日を迎え、金正恩国務委員長が現地指導を行う中、韓国と米国を狙って戦術核運用部隊の軍事訓練を実施しミサイルを発射する姿を公開した/朝鮮中央通信・聯合ニュース

 北朝鮮が10日、朝鮮労働党創党記念日を迎え、「戦術核運用部隊訓練」を大々的に公開したことで、朝鮮半島で戦術核危機の影がより一層濃くなった。北朝鮮は、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が現地指導を行う中、韓国および米国、日本を狙った戦術核運用部隊の軍事訓練を実施したと発表した。金委員長は「敵と対話する内容もなく、またその必要性も感じない」として対話の扉を閉じ、「あらゆる方面で最強の核対応態勢をさらに強化する」と述べた。先月、核兵器政策を法制化した北朝鮮が戦術核を発射できるミサイル能力を誇示したのに続き、7回目の核実験を含む追加行動を予告した危険な状況だ。

 北朝鮮はこの15日間、7回にわたって短距離弾道ミサイル、新型中長距離弾道ミサイル、潜水艦発射弾道ミサイルなどを様々な地域から発射したと発表した。いつでもどこでも好きなように戦術核を搭載した弾道ミサイルを発射できる能力を見せつけようとしたわけだ。有事の際、韓国の主要空軍飛行場や港をはじめ、ソウル龍山(ヨンサン)の大統領室、国防部などの主要施設を打撃し、米国の増員戦力を打撃できる能力も誇示した。

 北朝鮮が対話の扉を閉じ、韓国を狙った核の脅威を高めているのは非常に残念だ。北朝鮮の戦術核の誇示は、ロシアのプーチン大統領の核脅威と相まっており、朝中ロの密着で韓米日に対抗できるとの判断に基づいたものとみられる。しかし、このような挑発は韓米日軍事協力の強化、日本の再武装、軍拡競争を加速化させ、北朝鮮にさらなる経済危機をもたらすだけだ。金正恩委員長は危険な挑発を止めるべきだ。

 このような危険な状況を賢明に管理しながら、対話を通じて平和局面を作ろうとする長期戦略と外交がいつにも増して求められる。ところが韓国政府は「韓米日安全保障協力」を繰り返し掲げるだけで、実効性のある対応策を示しておらず、保守陣営の一部では現実性もなく安全保障危機を深化させる「戦術核の再配備」の声が再び高まっている。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は11日、「戦術核の再配備」についての質問に、「韓国と米国の政府・民間の様々な意見に耳を傾け、検討している」と答えた。大統領室は「従来の立場に変わりはない」と強調したが、核拡散防止条約(NPT)の順守を明確に言及したこれまでの発言とは方向性が異なるものであり、憂慮を抱かせる。政府は安全保障態勢を強化しながらも、対話で出口を作る精巧な対策を考えてほしい。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1062250.html韓国語原文入:2022-10-12 02:40
訳H.J

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