今月15日、南太平洋の小さな島国であるトンガ近隣の海底で途方もない火山爆発が起きた。衛星写真に捉えられた巨大なキノコ雲は、爆発の威力を実感させた。地球の70%を占める海の下には火山が多く、海底火山の爆発も当然起きるが、マグニチュード5.8の地震に匹敵する爆発は前例のないことだった。太平洋沿岸の多くの国は津波に備えなければならなかった。何よりも残念なことは、最も大きな被害を受けたトンガは数日にわたり通信が途絶えており被害の状況さえ詳しく分かっていない。
陸地の火山爆発は歴史に大事件として数々の記録物を残したが、海底火山の活動は私たちが知らない内に陸地以上に頻繁に起きていながら、私たちにとってはあまり聞いたことがない事件だ。今回の爆発後に検索してみたが、海底火山に関する資料は思った以上に多くなかった。10年余り前からいくつかの事件が契機となって特別な関心が集まるようになった。
2012年ニュージーランドの北方海上で、穴が多く軽くて水に浮かぶ浮石が最大400平方キロメートルにわたりびっしりと漂う奇異な現象が目撃された。その後、研究者たちが海底探査に乗り出し、浮石は近隣のアブール海底火山の爆発で生成された火山岩であり、噴出した溶岩の75%が浮石となって海水面に浮かんだものと発表された。2018年には「20世紀最大の深海火山爆発」というタイトルのアブール火山の研究論文が「サイエンス・アドバンシス」に発表された。浮石が巨大なかたまりをなして海に漂う現象は、2019年8月に再び話題になった。今回はトンガの領海に現れたが、研究者たちは地震の記録と衛星写真を総合して、トンガ付近の海底火山の大規模噴出がその震源地だと目星をつけることができた。
研究者たちは、海底火山に関してはあまり知られていないと話す。マグマの噴出の70%以上が海中で起きているが、簡単には観測できず、海底火山の研究は困難が大きいということだ。2009年に米海洋大気庁(NOAA)の研究者が探査装備を利用して南太平洋の海底火山ウエスト・マタの火山活動を運良く撮影した映像は、爆発がどれほど激烈かを見せてくれた。だが、地球観測衛星が深さ数百、数千メートルの海中を覗き見ることはできず、広い深海をモニタリングすることもできないので、大型の火山爆発をあらかじめ感知する術はない。
今回の災害を契機に海底火山の研究はさらに増え、活発になると期待される。一方では深海が依然として接近が難しい未知の世界であることを再び気づかされる。ある人は深海を指して月より遠い世界とも言った。とても遠い小惑星を追跡し監視する科学技術の時代に、はるかに近い深海で起きていることに関しては依然として知らないことが多いという事実は、アイロニーのように感じられもする。