文在寅(ムン・ジェイン)政権後半期の国政運営の方向と国会の勢力図を決める「4・15総選挙」選択の時が来た。立法権を握る議会権力の地形を新たに組み立てる総選挙は、市民の生活と共同体の進路に大きな影響を及ぼす。しかも今回の選挙は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)という世界的感染病の危機の最中に行われる。国民の生命と安全が脅かされている日常の恐怖を体験し、私たちは日々、政治リーダーシップの重要性を痛感している。
こういう時であるからこそ、有権者が積極的な投票で自らの生活と私たちの社会の未来を直接決めることに参加しなければならない。「全ての権力は国民から出てくる」のだが、代議制民主主義体制で実際に政治権力の行方を左右する力は投票する有権者の役目だという点を思い出す必要がある。特に今回の総選挙から初めて投票権を持つようになった満18歳有権者の活発な投票参加を期待する。
全ての選挙は政権勢力の功罪に対する審判の性格を帯びざるを得ない。今回の総選挙も相違ない。ただし、今回の総選挙は前例のない感染病事態が他の全ての問題を圧倒する状況だ。それにより通常の審判の問題を越えてCOVID-19への対応と「COVID-19以後」のビジョンに対する判断が、政府与党に対する重要な評価基準として浮び上がった。
当初、未来統合党は「経済の実情」と「チョ・グク問題」などを提起して政権4年目を迎えた文在寅政権に対する「審判論」に火をつけた。一方、共に民主党は未来統合党の絶え間ない妨害のせいで改革課題の推進と国政遂行に失敗をもたらしたとして「野党審判論」を提起した。COVID-19事態以後、未来統合党は「中国人入国」問題に輪をかけて政府の中国への顔色伺いのために危機が大きくなったと批判の強度を高めた。これに対抗して民主党は、全世界が韓国の民主的でありつつ効率的なCOVID-19防疫を模範事例として評価している事実を際立たせている。誰の「審判論」が国民の心をより捉えたのか、今夜確認されるはずだ。民心は常に水面下で流れ、投票箱を通じて初めてその姿を現わすものだ。
もう選択の瞬間が来た。相変わらず首都圏を中心にどの候補が当選するのか予想が難しい接戦地域が40カ所ほどに達するという。それだけに一票一票の意味がより一層重要だ。有権者はどのような選択が私たちが当面する懸案を解決して、COVID-19以後の世界を切り開くのに役に立つか、真剣に悩んで大切な一票をもれなく行使してほしい。また、巨大両党が選挙制度改革の趣旨を無視してそれぞれ衛星比例政党を前面に出すことにより、準連動型比例代表制を無力化して有権者の選択を惑わしたことに対しても、厳しい責任を問う必要がある。
新規感染者は確実に減ったが、感染の危険は相変わらず続いている。事前投票の時よりはるかに多くの人が一日で投票所に来て、自宅隔離者数万人が投票する。選挙管理委員会と防疫当局は万全を期さなければならない。有権者も投票所で予防規則を徹底的に守ってほしい。