朴槿恵(パク・クネ)前大統領が再開された裁判に二度欠席すると、裁判所は28日から欠席裁判を進め始めた。朴前大統領は前日に続きこの日も健康上の理由で欠席の事由書を提出したが、ソウル中央地方法院刑事22部(キム・セユン裁判長)は「動けないほどの身体問題など欠席の正当な理由があるとは見難い」として、予定の証人尋問を押し切った。拘置所の説明によって、腰の痛みと膝のむくみはあるものの一日30分ずつ歩くなど法廷に出ることができないほどの状態ではないとみたものだ。
10月に裁判所が追加で拘束令状を発行すると、朴前大統領はすぐに「法の名を借りた政治報復」などと述べ裁判拒否の意思も明らかにし、欠席は事前に予想されていたのが事実だ。しかし同様の主張をして弁護団が辞任した全斗煥(チョン・ドゥファン)、盧泰愚(ノ・テウ)の両氏も法廷には出てきた。朴氏の裁判拒否は一時でも大統領を務めた者として守らなければならない最低限の器量まで抜け落ちた形だ。これまで捜索令状や裁判所の拘留令状を無視して裁判を遅延させると、今度は裁判すらボイコットするのだから、国政私物化に続く「むやみな司法私物化」としか他に表現する言葉はない。
おそらく明るみになった疑惑を法律的な争いを通じて防ぐには力が足りないという判断をしたのだろう。これまでのわいろの授受などの疑惑に続き、国家情報院特殊活動費を私的に使っていたという事実が最近分かったことも影響を及ぼしたと見られる。取り次ぎ役3人衆とされるイ・ジェマン、アン・ボングン大統領府元秘書官に続いて、国家情報院の元院長にまで自身の特殊活動費の転用の事実を具体的に話され、もはやこれ以上逃れられないと考えたのだろう。政治的支持者をあてこんだ彼女の獄中政治闘争はそういう面からも非常に政略的である。国民に対してさらに大きな罪を犯すだけでなく、大多数の国民の憤りを招いて結局は法的にもより大きな断罪を引き起こすものだと知るべきである。
彼女の政治闘争に歩調を合わせるように、一部の保守勢力が歴代の社会悪清算の足を引っ張り始めたことは非常に心配される。朴派の要人たちを中心に政治報復だという主張を繰り広げ、検察の捜査を拒否する例まで生じている。企画財政部長官のときに国家情報院から特殊活動費1億ウォンを受けた疑惑で召喚された自由韓国党のチェ・ギョンファン議員は「公正でない捜査だ」として粘り、なかなか翻意しなかった。
軍のサイバー司令部の政治介入捜査は裁判所の令状棄却で難航にぶつかった。一部の野党とマスコミがキム・グァンジン国防部元長官の拘束を非難すると11日ぶりの拘束適法可否の審理で釈放の決定が下された。部下のイ・テハ心理戦団長はすでに1・2審で有罪判決が下されているし、拘束後何の事情変更もなかったのに「犯罪成立に争いの余地がある」という理由で釈放されたのは理解し難い。裁判所は軍を政治に引き入れた社会綱紀を乱した罪の重大さを見すごし、本質を糊塗する「政治報復フレーム」を突きつけた保守派の報道機関と野党の主張に影響されたのではないことを望むばかりだ。国家情報院のコメント工作だけでも、国民の前に頭を下げて犯した罪の処分を待つのが当然な李明博(イ・ミョンバク)元大統領やその側近が「我々も歴代政権の悪事を握っている」という不埒な無頼漢のような脅迫政治で対応しているのも国民を愚弄する行動だ。
検察はこのような政治攻撃に揺らがずに、時効がいくらも残っていない「李・秘密資金」等のすべての疑惑を聖域なく暴くことを望みたい。
韓国語原文入力:2017/11/28 17:26