本文に移動

[社説]金剛山観光再開して可能な制裁解除を

登録:2015-01-20 08:12 修正:2015-01-20 09:00

 統一部・外交部など政府4部署が19日、「統一準備」を主題に合同業務報告を行い、朴槿恵大統領も北朝鮮に対してこれまでより柔軟な姿勢を見せた。しかし南北関係を実質的に進展しうる具体策は示されておらず、残念である。

 朴大統領は「いかなる形で南北対話をするにしても国民の気持ちを一つにして交渉して北朝鮮が応じうる条件整備に努めてほしい」と話したことは前向きである。北に一方的に要求するのではなく北の立場を考慮した「条件整備」を政府に求めているからだ。朴大統領はイベント的な事業より「実質的に南北住民の幸せにつながりうる交流・協力の質的向上」を強調したのも妥当である。統一部が「北朝鮮と共に行う統一準備」を統一推進戦略の一つとして掲げたことも正しい方向である。

 しかし朴大統領の発言と政府業務報告の内容は具体的な懸案から目をそむけていて現実性に欠ける。金剛山(クムガンサン)観光の再開と5・24措置(北朝鮮制裁)解除の問題は全く扱っていないし、10・4首脳宣言と6・15共同宣言についても言及していない。朝鮮半島の非核化実現策に関しても北朝鮮の決断を促す儀礼的な言及に終わっている。それなのに山林録化や環境保全を主な南北協力事業として提示しているのだから、むなしくなるばかりだ。平和統一基盤構築法の制定、朝鮮半島の列車の試験運行、南北民族文化院の同時開設推進なども同様である。「互恵的南北経済協力」の項目でも既存の開城(ケソン)工業団地と羅津・ハサン物流事業参加の他には新しい内容はない。

 現在南は離散家族の問題などの人道的案件の解決を前面に掲げている反面、北は5・24措置の解除と韓米軍事訓練中断などを主張している。このうち韓米の訓練は核問題にも関連する事であるために今後の課題とするにしても北朝鮮に対する経済協力については立場の明確な整理が求められる。北の要求の通り5・24措置を一度に解除するのが難しいならば、金剛山観光から再開して対話の道を広げていく必要がある。金剛山観光は国際的な北朝鮮制裁より以前に中断されたものであるため我々が決断しさえすれば問題を解決できる。今後高官級の接触などがなされれば離散家族の問題の解決策や経済協力の強化を議論することができるはずだ。

 統一の準備は重要である。しかし南北が緊張緩和して核問題を改善する手段もなしに統一だけ論じると、統一問題を政治的に活用しているという疑いを買いやすい。政府は朴大統領が話した「条件整備」の中身を早急に整えて南北関係を進展させることを願いたい。(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015/01/19 18:31訳T.W(1170字)

 統一の準備は重要である。しかし南北が緊張緩和して核問題を改善する手段もなしに統一だけ論じると、統一問題を政治的に活用しているという疑いを買いやすい。政府は朴大統領が話した「条件整備」の中身を早急に整えて南北関係を進展させることを願いたい。(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015/01/19 18:31

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/674251.html 訳T.W(1170字)

関連記事