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[社説] ‘無労組三星(サムスン)’を正す三星電子サービス組合

登録:2013-07-15 06:48 修正:2013-07-15 06:57

 三星(サムスン)電子サービスの下請け業者で働く非正規職労働者らが14日、労組創立総会を開いた。労働者400人余りで作った金属労組三星電子サービス支会は三星の工場で生まれた大規模労組であり、非正規職が作った初めての労組という点で意味が大きい。先立って労働者が裁判所に訴えた勤労者地位確認訴訟で現在の勤務形態が違法派遣と認められれば、労組は強力な交渉権限を持つようになる。違法派遣情況が明らかに思えるだけに、三星の反人権的な無労組経営が終息するきっかけになるよう願う。

 ‘三星に青春を捧げた私、実は違法派遣だった’というある労働者の叫び声から三星電子サービスの下請け労働者たちが労組設立に乗り出した意味が分かる。下請け労働者は三星電子サービスの服を着て本社の厳しい監視と指示の下で仕事をしているが、最小限の法的権利と賃金さえまともに保証されない非正規職の境遇だという。劣悪な労働条件を改善して正当な権利を得るために労組設立に出たのだ。昨日の総会に数百人が参加するなど大勢の労働者が1つに団結することになったのは、労組加入で解雇されたとしても、もうこれ以上失うものがないという考えによるという。

 三星電子のサービス協力業者職員が裁判に訴えた勤労者地位確認訴訟は自らの実際の雇い主が誰なのかを確認してほしいという趣旨で求めたものだ。争点は、協力業者が元請けである三星電子サービスに対して経営上の実質的な独立性があるかどうかだ。三星側は協力会社が独立した法人であり、それぞれが独自の経営をしているというが、実状を覗いて見れば協力業者は実体も独立性もないという。三星電子サービスが労働者を直接指揮監督しており、協力業者は労務管理を代行して賃金を配る総務部署ぐらいのレベルという証拠と証言が次から次へと出ている。最高裁が現代自動車の社内下請け解雇労働者チェ・ビョンスン氏を違法派遣と認定した判決によると、請負業者の実体が微弱で請負労働者に対する業務上指揮監督と勤怠管理を元請け業者がしている場合、請負ではなく違法派遣としている。三星電子サービスもまさにこれに該当しているといえる。

 三星が今回の総会を妨害するために週末特別勤務を指示して、協力会社に圧力をかけたというから、違法なだけでなくみっともない話だ。世界最高企業を目指しながら常識的なモラルを破っているのは自己矛盾だ。無労組経営が招く費用もまた侮れない。三星経営陣は考えを変えて、違法派遣労働者を正規職化して労働者の権利を保障しなければならない。良好な職場を政策課題にした朴槿恵政府と、裁判所は、製造業だけでなくサービス職種でも違法派遣がまかり通っている現実を正さなければならない。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/595614.html 韓国語原文入力:2013/07/14 19:05
訳T.W(1241字)

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