原文入力:2011/11/15 23:07(2004字)
パク・ミンヒ記者
‘TPP・南シナ海’二軸で 米国‘10年ぶりの帰還’本格化
中国、正面衝突は負担になるが
領土問題は低姿勢でいるのは困難
アジア国家ら 綱渡りの悩み
←胡錦濤中国国家主席(右から3人目)が去る13日(現地時間)米国、ハワイ、ホノルルで開かれた第19回アジア太平洋経済協力体(APEC)の非公式指導者会談の第1セッションに参加している。 ホノルル/新華ニューシス
先週末、米国、ハワイでのアジア太平洋経済協力体(APEC)首脳会議を契機に米国が‘アジア帰還’の意を明確にし、中国が困惑する立場に追い込まれている。 反発と警戒心を示しているが、これといった対応カードがないためだ。
最近、米国の対外政策重心のアジア移動は事実上‘中国たたき’や‘中国排除’の形態で現れている。バラク・オバマ米大統領は連日、貿易体制・為替レートなどを挙げて中国を攻撃した。中国外交部当局者の反発に続き中国官営言論は15日いっせいに米国の貿易・為替レート・安保などの全方向圧迫に対する反撃に出た。 <新華社通信>は「元貨問題で中国を圧迫するのは米国大統領選挙が近づく度に出てくる犠牲作り戦術」と非難した。 官営国際問題専門紙<環球時報>は「オバマがすべての機会を利用して中国周辺国家に向けて米国は最も信じるに足る‘中国の対抗馬’と話している」と報道した。
中国は米国が環太平洋経済パートナー協定(TPP)と南シナ海領有権紛争をアジアでの覇権を回復しようとする戦略の二本の軸としていると見ている。13日(現地時間)閉幕したAPEC首脳会議で米国が日本をTPP交渉参加に引き込むことにより、中国を排除した米-日中心のアジア太平洋自由貿易地帯構想を出したのに続き、今週末インドネシア、バリで開かれる東アジア首脳会議(EAS)では南シナ海という安保イシューを提起して経済と安保の二つの戦線で‘中国崛起’(中国が大国に立ち上がるという意)の牽制に出るという展望が出ている。
南シナ海問題に対してはフィリピンと日本などが先頭に立つと発表された。ベニグノ アキノ フィリピン大統領は東アジア首脳会議で南シナ海に‘平和・自由・友好・協力地帯’を建設しようという提案で南シナ海領有権紛争を国際化し、中国に対抗する統一戦線構築に乗り出すだろうと<環球時報>は報道した。日本も南シナ海問題などを議論する東アジア海洋安保フォーラムを定例化しようという提案をする予定だ。
9日間の日程でアジアを歴訪中のオバマの中国を狙った全方向‘攻勢’は中東問題などにしばられ10年以上にわたりアジア地域を中国に渡すかに見えた米国が本格的に中国牽制に立ち向かう信号と解釈される。米国のTPP推進で、中国がアセアン、台湾、韓国、日本などの周辺国と自由貿易協定を推進し自国を中心とするアジア太平洋自由貿易地帯と元貨経済圏を構築してきた政策はすでに一撃を加えられた。
だが、中国が手にした‘反撃カード’が適当でないというのが悩みだ。北京の外交消息筋は「現時点では中国には米国と対抗するだけの力がなく、あまりに強いので反撃に出れば周辺国から中国脅威論がより一層高まる状況であるため中国が米国の‘アジア帰還’政策に正面から挑戦する可能性は高くない」と展望した。
特に中国としては来年に指導部交替を控えている上に社会・経済的にも不安要素が大きくなっている状況で米-中衝突に進む戦争拡大は負担になる。したがってアジア太平洋地域での米国の影響力拡大を一定程度は認めるものの、長期的に静かに軍事力を強化し周辺国との協力を強化する‘韜光養晦’戦略を継続推進するものと予想される。
ただし領土問題と関連した南シナ海問題については中国がじっと声を低くしていることは難しい難題だ。 <ニューヨーク タイムズ>は13日、米国が南シナ海で中国包囲網を構築しながら南シナ海が‘新砲艦外交時代’に入るものと展望した。 これに伴い、具体化されるまでに少なからぬ時間がかかるTPPより南シナ海紛争問題がまず米・中葛藤の直接衝突場になる可能性が高い。
G2(二大強国)がアジアでの影響力を巡りこのように再び力比べに出ることにより、アジア各国の経済・安保戦略にも変化が不可避となった。こういう地殻変動は軍事的盟主として君臨してきた米国とアジア経済の成長エンジンである中国との間で綱渡りしてきたアジアの中小規模国家にとって新たな悩みとなるだろうと<ロイター>通信は指摘した。
北京/パク・ミンヒ特派員 minggu@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/international/china/505601.html 訳J.S