日本の高市早苗首相は13日、ロシアと日本の領有権紛争地域であるクリル諸島(日本での呼称:千島列島)にロシアのプーチン大統領が訪問したことに強く反発した。プーチン大統領がクリル諸島を訪問したのは、22年間の大統領在任中で初めて。
高市首相はこの日、首相官邸で記者会見を行い、「北方領土は歴史的にも国際法上もわが国(日本)固有の領土」だと主張し、「ロシアの現職の大統領による今般の択捉島(えとろふとう)訪問は、北方領土に関する日本の一貫した立場と相容れない。また、日本国民の感情を傷つけるものであり、断じて許容できない」と述べた。この日、茂木敏充外相はロシアのノズドレフ駐日大使を呼び出し、この問題について強く抗議した。
ロシア大統領府はこの日、プーチン大統領がクリル諸島を訪問し、ロシア太平洋艦隊を視察して訓練報告を受けたことを明らかにした。また、北方四島の一つである択捉島のヤースヌイ水産加工工場や学校、病院などを訪問した様子を公開した。プーチン大統領は現地住民と会い、「(イクラが)大きい」「いったいどうやって(これほど大きな)魚を釣り上げるのか」といった日常的な会話を交わした。プーチン大統領は2000年から現在まで、4年の空白を除き22年にわたり在任しているが、北方四島の島を直接訪問したのは今回が初めて。ロシア国家安全保障会議のメドベージェフ副議長は、大統領を務めていた2010年、ロシアの指導者として初めて同地を訪問した。
日本政府は、北海道の北にある国後(くなしり)・択捉・色丹(しこたん)・歯舞(はぼまい)群島から成る北方四島を「北方領土」と呼び、領有権を主張してきた。しかし、第2次世界大戦末期の1945年、旧ソ連が北方領土を占領した後、日本人住民を強制退去させ、ロシアがこれを引き継ぐかたちで80年以上にわたり実効支配を続けている。日本は、第2次大戦の敗戦国として連合国と講和条約を結ぶ過程で、クリル諸島に対する権利を放棄したが、北方四島は含まれないと主張している。高市首相は先月、「北方四島の帰属の問題を解決し、(両国間で)平和条約を締結する政府の方針に変わりはない」と述べた。
プーチン大統領の突然の北方四島訪問は、領土問題では妥協しない指導者としての姿を強調する狙いがあるとの見方が出ている。また、2022年のウクライナ戦争後、日本がロシアに対して経済制裁措置を取ったことに対し、不満を暗に示したものだとする見方も出ている。
実際にプーチン大統領は前日、日本に近いロシアのサハリン島のユジノサハリンスクを訪問し、「日本はウクライナ問題の根本的な原因を正しく知らず、ロシアに一方的な制裁を課している」と公の場で不満を表明した。高市政権は今月初めに公表した『防衛白書』で、ロシアが北朝鮮や中国との軍事連携を強化していることへの懸念を強調していた。この日、AFP通信は「プーチン大統領は日本がロシアに対する制裁を続けていることについて、自身の『カード』を認識させようとしている」と指摘した。
日本政府もこのような点を意識しているとみられる。高市首相はこの日、記者会見で「ロシアによるウクライナ侵略を受けて、日ロ関係は厳しい状況にある。そのようななかでも、日本はできる限りの努力を払ってきた」とし、「(プーチン大統領の今回の訪問が)中長期的な関係回復を困難にしたと言わざるを得ない」と述べた。続けて、「ロシア側においては、このことの重大さを深刻に受け止めてほしい」と主張した。