米国とイランがホルムズ海峡の支配権をめぐり、2日連続で互いに大規模な攻撃をおこなった。米国の4度目の空爆に対し、イランは仲裁国のカタールとオマーンへの攻撃で応じた。両国の終戦合意が崖っぷちに追いやられる中、全面戦争の再燃を懸念する声があがっている。
米中央軍は12日(現地時間)、「ホルムズ海峡で国際船舶を攻撃するイランの能力を弱体化させるため、数十の目標に対する攻撃を完了した」と明らかにした。中央軍は、イラン軍の防空網、レーダー、ミサイル、無人機、小型船舶が攻撃対象となったとして、「イランは海峡を支配していない」と語った。中央軍は、イラン革命防衛隊は海峡を通過する商船を約1時間にわたりミサイルと無人機で攻撃したが、米軍はそれらを撃墜したと説明した。イランの諸メディアは、イラン南部のバンダルアッバース、ケシュム島、ジャスク、ブシェール州、そして南西部のフーゼスターン州の7つの都市など、ペルシャ湾に近い地域が攻撃を受けたと報じた。この日の米国による攻撃はこの1週間で4度目で、かつ2日連続。
イランの報復は、4月の停戦以降攻撃を控えていた国々にまで及んだ。イランのイスラム革命防衛隊は13日未明、ヨルダンのプリンス・ハッサン空軍基地、バーレーンのジュフェール海軍基地とシェイク・イサ空軍基地、クウェートのアル・サレム米軍基地など、米軍関連の資産を攻撃したと発表した。前日にはカタールのアル・ウデイド空軍基地も攻撃を受けており、仲裁国であるカタールが攻撃を受けたのは3カ月ぶり。革命防衛隊は、米国の介入が続けば湾岸地域の石油・ガス施設も攻撃するとして、戦争の拡大を警告している。
イランは海峡管理問題で交渉を続けていたオマーンを2日連続で攻撃し、自らのホルムズ海峡支配構想に協力しないことへの不満を示した。革命防衛隊はこの日、オマーンの固定式長距離レーダー(FPS)と艦艇探知レーダーを破壊した。オマーンは前日、交渉していたイラン外相が同国を後にしてから数時間後にドゥクム港の米軍施設がイランに攻撃されたため、異例にもイラン大使を呼んで抗議書簡を手渡した。
両国が衝突したことで、ホルムズ海峡の通行量はまたも急減。船舶追跡企業「ケプラー」の資料によると、12日に海峡を通過した船舶は6隻にとどまり、ここ5週間で最少となった。ロイター通信が報じた。
米国の攻撃を招いたイランによる商船攻撃は、ホルムズ海峡に対する支配権を公式化したものだと分析されている。最近の両国の衝突は、イランが自ら指定した航路を利用しない民間船舶を攻撃したことから始まった。イラン最高指導者の軍事顧問、モフセン・レザイ氏はこの日、ホルムズ海峡について「これは数十発の原爆よりも重要であり、イラン・イスラム共和国はこれを守り抜く」と述べた。マイケル・ラトニー前駐サウジアラビア米国大使は「イランの海峡支配力は彼らに強力なてこを提供する。この交渉力を維持するために停戦の崩壊さえも受け入れる用意があるようだ」とニューヨーク・タイムズに語った。
国連のグテーレス事務総長は「全面的な武力衝突が再燃すれば、当該地域と世界経済に災厄的な結果をもたらすだろう」と述べ、双方に即時の戦闘停止と緊張緩和を求めた。