ドナルド・トランプ米大統領が出席したホワイトハウス記者団の夕食会で銃撃事件が起きたことを受け、現場の警備体制をめぐり議論が続いている。米当局は「警備システムが機能した」と評価しているが、行事の警備レベル自体を低く設定しすぎたため、警備に穴が開いたという批判が高まっている。
26日(現地時間)付のワシントン・ポスト紙によると、今回の夕食会は米国大統領が毎年必ず出席する行事ではないという理由などから、大統領や副大統領、閣僚級の人物が多数出席したにもかかわらず、「国家特別警備行事」に指定されなかった。
それを受け、シークレットサービスは宴会場およびその周辺のみを担当し、警察は外周の交通規制を担当した。結果として、容疑者が宿泊し犯行を準備したホテルのロビー、廊下、客室など、建物のほとんどの区域は、どの機関も明確に責任を負わないセキュリティの空白として放置された。
当時、夕食会には米国大統領継承順位の上位6人のうち5人が出席しており、国家指揮部全体が無力化される可能性のある前例のない危険にさらされていたと指摘されている。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、「ホテルへの入場はチケットを『見せる』だけで可能であり、身分証明書の確認・スキャン手続きが不十分で、ロビーや低層部に自由にアクセスできた」とし、「金属探知機は事実上、宴会場の入り口でのみ作動しており、多くの大規模なスポーツイベントやコンサート会場よりも入場が容易だった」と指摘した。同紙は、容疑者がイベント前日にホテルにチェックインし、建物の構造を把握していた点を重要な欠陥として指摘した。
容疑者は犯行直前に家族に送ったメッセージで、「武器をいくつも持ち込んでいたのに、誰も脅威とは見なさなかった。イランの工作員がM2機関銃を持って入ってきたとしても、誰も気づかなかっただろう」とし、「本当に呆れる」と記した。元連邦捜査局(FBI)要員のジェイソン・パック氏はウォール・ストリート・ジャーナル紙に対し、「(ホワイトハウスは)軍隊に立ちはだかる巨大な防衛線を構築したが、容疑者に必要だったのはホテルの部屋の鍵一つのみだった」と指摘した。
一方、米司法省や一部の専門家は、容疑者が宴会場に侵入する前に阻止された点を挙げ、今回の事件をむしろ「警備の成功」事例として評価している。トッド・ブランチ司法長官代行はこの日、CNNのインタビューで、「容疑者は境界線をほとんど越えられなかった」と述べており、NBCニュースのインタビューでは「システムが機能した」と強調した。容疑者は一つ下の階にある会場へ向かう階段の上で制止された。
トランプ大統領は問題は「会場の脆弱性」にあったと主張した。トランプ大統領は「ヒルトンホテルは安全な建物ではない」としたうえで、「ホワイトハウス内に防弾ガラスとドローン防御システムを備えた新しい宴会場を作らなければならない」と述べた。