米国の情報当局が、イランの核濃縮プログラムは昨年の軍事作戦によって事実上無力化されたと評価したことで、トランプ政権の掲げた「差し迫った核の脅威」という開戦の大義名分に対する批判が広がっている。情報当局はまた、イランはロシア、中国、北朝鮮の支援を期待していたが、ほぼ得られていないと評した。
18日(現地時間)に公開された報告書「2026年次脅威評価(ATA)」と上院情報委員会の公聴会を総合すると、米国の情報コミュニティー(IC)は、昨年6月の「ミッドナイト・ハンマー」作戦以降、イランの核濃縮プログラムは事実上無力化しており、その後の再建の動きも確認されていないと判断している。このことは、イランの核の脅威が「差し迫っている」としたホワイトハウスの開戦の大義名分と真っ向から対立する。
トゥルシー・ギャバード国家情報長官(DNI)は議会に提出した書面陳述書で、「イランの核濃縮プログラムは完全に破壊されており、その後、彼らの濃縮能力の回復に向けたいかなる動きもない」と明記したうえで、爆撃された地下施設の入口がセメントで塞がれて埋没した状態であることを具体的に示した。ただし同氏は、公聴会でその部分を省略し、「イランは核インフラの被害から回復しようとしていた」という内容を語ったことで、政府にとって不利な評価を意図的にわい小化したのではないかとの批判にさらされた。
このような評価は、前日に「イランの差し迫った脅威はなかった」と述べて辞任したジョー・ケント前国家テロ対策センター(NCTC)所長の主張と相まって、波紋を広げた。ケント前所長はこの日、保守論客のタッカー・カールソン氏とのインタビューで、「イラン政府は2004年から核兵器開発を禁止するとする(アリー・ハメネイ師の)ファトワ(イスラム法の解釈)に従ってきたし、それを破ったという情報はなかった」と語った。同氏はイスラエルがハメネイ師を殺害したことについて、「すべきでないことだった」として、「(ハメネイ師は)イランの核兵器獲得を阻んでいた」と付け加えた。
民主党の議員たちは、トランプ大統領の掲げた開戦の大義と情報機関の評価が矛盾しているとして攻勢をかけた。中央情報局(CIA)のジョン・ラトクリフ長官は、イランが交渉の過程においても弾道ミサイルの開発を続けていたという情報機関の評価を確認しつつ、今回の軍事作戦の正当性を擁護した。
情報当局は、イランの戦略的孤立も強調した。イランは米国・イスラエルとの戦争の過程でロシア、中国、北朝鮮の支援を期待したが、これら4カ国の協力は一部の事案に限られ、限定的なレベルにとどまっていると評価した。
公聴会では、戦争の波及効果に関する事前判断についての攻防も繰り広げられた。民主党の議員たちは、イランがホルムズ海峡の封鎖によってエネルギー市場を揺さぶる可能性について、情報当局はトランプ大統領に事前に警告したのかを集中的に追及した。ギャバード長官とラトクリフ長官は、そのリスクが既存の評価に記されていたことを認めつつも、開戦前に大統領にどれほど報告されたのかについては具体的な回答を避けた。
情報当局は現在のイランの状況について、「政権は完全なかたちを保っているが、全般的な能力は大幅に低下している」と評価した。