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米軍司令部にミサイルを命中させたイラン…米国の防空ミサイルの枯渇の可能性に注目

登録:2026-03-02 06:51 修正:2026-03-02 09:13
バーレーンの米第5艦隊周辺にミサイルが着弾 
「イランが踏ん張ると、米国の作戦は持続不可能」
イラン・テヘランのアジャディ広場で、11日に行われたイスラム革命記念式典の最中に展示された弾道ミサイルの前で、イランの子どもたちが記念撮影をしている/AP通信・聯合ニュース

 米国がイランの最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師を殺害したと発表した中、米国の防空網が今後米-イラン戦争においてカギを握るものとみられる。

 イランは28日、米国とイスラエルの攻撃を受け、即座に反撃に出てバーレーンの米軍第5艦隊司令部を攻撃する能力を示した。イランがバーレーンの米海軍基地を狙ってミサイルやドローン攻撃を行ったことで、米国と同盟国の防空網の脆弱性が再び浮き彫りになった。

 今回の戦争に先立ち、ダン・ケイン米国統合参謀本部議長は、イランの大規模な反撃により米国とイスラエルの防空網が枯渇し、長期戦が予想されるとして、攻撃に反対する建議を行ったという。

 今回のイランによるバーレーン米海軍第5艦隊基地への攻撃では、基地周辺地域にミサイルとドローンが着弾する様子が捉えられた。バーレーンは相対的に防空能力が弱い「魅力的な標的」として認識されてきたと、トム・シャープ元英国海軍司令官がBBCに指摘した。シャープ元司令官は、速度が遅いイラン製ドローン「シャヘド」が防空網を突破して目標地域に侵入した事実が致命的な弱点を露呈したと分析した。

 ウクライナの戦場では、シャヘドは機関銃レベルの火力でもかなり撃墜されてきた。そのような脆弱なシャヘドがバーレーンの第5艦隊基地まで攻撃に成功したことは、この地域の防空・警戒システムの脆弱さを象徴的に示していると言える。

 米国はここ数週間の間に中東全域にTHAAD(高高度防衛ミサイル)やパトリオットなどの高度な防空システムを追加で展開したという。だが、これらのシステムは配備数が限られており、迎撃ミサイル1発あたりのコストが非常に高い。中東全域の基地・施設を全面的に防衛するには力不足と指摘されている。

 米国は湾岸と東地中海にアーレイ・バーク級駆逐艦約12隻を投入し、レーダーと対艦ミサイルを活用した海上防空網を運用している。イエメンのフーシ反政府勢力が発射したミサイル・ドローン約400発を迎撃した前例もある。中東地域に配備された戦闘機100機余りも空中で脅威を迎撃できるが、このような資産を総動員しても、イランの大量攻撃を100%遮断するのは難しいだろうというのが大方の予想だ。

 イランは、イスラエルや中東のすべての米軍基地を射程圏に収める約3千発の中距離弾道ミサイルに加え、大量の自爆型攻撃ドローンも保有している。イラン製のシャヘドはロシアに輸出され、ウクライナで継続的に使用されている。ロシアが月に数千台規模で生産する過程で、イランの技術力向上にも貢献しているとみられる。

 シャープ元司令官は、海軍在職中に中東基地に対するイランのミサイルとドローン攻撃を想定したウォーゲームを実施した際、防空網が限られているため、多くの弾頭が最終的に防衛線を突破するシナリオが繰り返されたと振り返った。また、イランが体制への脅威を感じて「戦力を全面的に投入」した場合、最終的に米国はTHAADやパトリオットなどの防衛網を使い尽くす局面を迎えかねないと警告した。さらに、イランのミサイルやドローンの能力が地理的に分散している点も防衛の観点から負担になると指摘した。

 実際、昨年6月に繰り広げられた米国とイスラエル、イランの12日間の戦闘で、米国はイランのミサイルとドローン防衛に対し、THAADの在庫の25%を消費した。

 イエメンのフーシ勢力に対する米軍の空中攻撃の事例でも、かなりの被害を与えたにもかかわらず、ミサイル・ドローン発射能力を完全に排除することはできなかった。これは空中戦だけで相手の戦力を根絶やしにするのは非常に難しいことを示している。2011年のリビアに対するNATOの空爆のように、政権崩壊につながった事例は例外に近く、ほとんどの場合、空中戦の効果は限られている。

 イランは特に米海軍に対して、射程内だけで戦えるなら、通常の期待よりもかなり大きな被害をもたらす潜在能力があるという評価もある。イランは対艦ミサイルを相当量保有しているだけでなく、小型・高速・無人攻撃艇戦術を通じて米艦隊を脅かす能力を蓄積してきた。

 さらに、ここ数カ月間に中国がイランに軍事的支援を行ったかどうかも戦況に影響に及ぼす要因となる。もし中国からの技術・部品支援があったなら、イランのミサイル・ドローンの性能と生存性はさらに向上した可能性が高い。

 ワシントンにある戦略国際問題研究所(CSIS)のダニエル・バイマン研究員は、初期の空爆がイランの指揮部や軍事資産にかなりの打撃を与えるかもしれないが、長期的には米国とイスラエルがイランの「踏ん張り戦略」に対して作戦を持続する能力を維持するのにより大きな困難を抱える可能性があると分析した。

 イランの報復反撃は、まだ「控えめな」段階とみられる。米国のシンクタンク「民主主義擁護財団(FDD)」のアナリスト、エドマンド・フィットンブラウン氏は、初期の兆候を見る限り、今回の対応は比較的「抑制された」レベルであることに注目する必要があると語った。イランは米国・イスラエルの過去の攻撃に対する報復の意思は強いものの、事態を完全な大規模全面戦争にエスカレートさせることは望んでいない可能性が高いと分析した。

チョン・ウィギル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1247066.html韓国語原文入力: 2026-03-01 21:12
訳H.J

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