西海(ソヘ)の暫定措置水域に構造物を無断で設置した中国が、今度は韓国の排他的経済水域(EEZ)の一部を航行禁止区域に設定した。米誌ニューズウィークが21日(現地時間)に報じた。
中国海事局(MSA)傘下の江蘇省連雲崗市の地域支部は、22日午前8時から27日午前8時まで西海上の3つの区域を指定し、船舶の出入りを禁止したと同誌は報じた。
同誌が公開した地図によると、中国が設定した3つの航行禁止区域は、大半が西海の暫定措置水域(PMZ)内に位置している。PMZとは、韓国と中国のEEZが重なり、境界線を引かずに両国が共同管理する敏感な水域だ。
中国が設定した航行禁止区域のうち1つは韓国と中国のEEZにまたがっており、もう1つは完全に韓国のEEZ内に位置している。中国が韓国のEEZ内に航行禁止区域を設定した理由は明らかになっていない。
最近、中国は漁業養殖施設だとして大型の構造物を西海のPMZに設置した。2月に韓国政府がこの構造物に対する調査に乗り出すと、これを阻止するなどで妨害した。韓国政府は、中国が構造物を通じて西海における影響力の拡大を目指しているとみている。
ただし、中国が今回の航行禁止区域に設定した海域は、韓国の領海内ではなく公海上であるため、政府が直ちに対応措置を取ることは容易ではないとみられる。韓国軍関係者は「PMZの場合、領海外の『公海』として両国が訓練をすること自体は問題がない。韓国軍も通常、公海で訓練を行っている」と語った。