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「幽霊都市」を作るロシアの焦土化戦術…ウクライナ東部の拠点、灰の原に

登録:2024-05-03 06:32 修正:2024-05-03 07:44
ドローンの映像を公開…人影消えたチャシウヤルの姿 
「水・電気の供給途絶えてから1年…住民1万2千人から682人に激減」 
「昨年占領された近隣都市のバフムトに類似」
ここ数カ月にわたりロシア軍の集中攻撃を受けているウクライナ東部の主要都市チャシウヤルのマンションが爆撃を受け、廃墟と化した=チャシウヤル/ウクライナ警察・AP・聯合ニュース

 ロシア軍がウクライナ東部戦線の核心拠点とされるチャシウヤルを占領するため猛烈な攻撃を続け、一時は1万2千人以上が暮らしていたこの都市が廃墟と化した。

 AP通信は1日(現地時間)、ウクライナ警察が先月29日にドローンを利用して撮影したチャシウヤルの映像を入手し、この都市内の建物のほとんどが破壊されたことを確認したと報道した。住居用住宅と市政府の建物の中で完全な形で残っているものはほとんどなく、ほとんどが黒く焼けて崩れ落ちていたと、同通信は報じた。

 この都市内のあるマンション集合地は爆撃を受けてあちこちに穴が開き、かなりの部分は瓦礫の山へと変わっていた。黄金のドームで飾られた教会の建物はかろうじて形を保っていたが、建物のあちこちが壊れていた。この映像では住民や兵士の姿はほとんど見られず、破壊された建物の間にできた道を歩く男性一人の姿が映っていただけだった。

 戦争勃発前には1万2千人が暮らしていたこの都市が廃墟と化したのは、ロシア軍の焦土化戦術のためだ。ロシア軍はウクライナ東部戦線で占領目標都市を完全に破壊し、人が住めないようにする戦術を駆使している。

 AP通信は、チャシウヤルの惨状が、昨年5月にロシアが占領した近隣都市のバフムトや、今年2月に占領したアウディーイウカと類似していると指摘した。ロシア軍は二つの都市を占領するため、数カ月にわたり集中的な包囲攻撃を行ったが、チャシウヤルでも兵力2万人以上を動員して同様の作戦を展開している。

 チャシウヤルは地上戦が集中しているドネツク州の中部地域の高地帯に位置している。このため、ロシア軍がこの都市を占領した場合、ドネツク州西部地域を守っているウクライナ軍に対する攻撃がはるかに容易になる。

 ドネツク州のバディム・フィラシキン知事は同日、ウクライナの放送番組に出演し、人口が1万2500人以上だったこの都市の状況が悪化し、現在住んでいるのは682人だけだと述べた。さらに、残っている住民たちは1年以上水と電気の供給が途絶えた状況で暮らしているとし、救護活動に乗り出すことも難しいと語った。

シン・ギソプ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/europe/1139017.html韓国語原文入力:2024-05-02 19:45
訳H.J

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